【探偵事務所の選び方】浮気調査依頼時の比較検討ポイントを徹底解説
パートナーが浮気をしているのではないかと疑いを抱いたら、誰でも真実を確かめたいと思うはずです。しかし、浮気の事実を調べるにはどうしたらいいのか分からないという人も多いでしょう。ドラマなどに出てくる探偵事務所や興信所を思い浮かべ、そこに調査を依頼することを思いついたとしても、実際にそれがどんなところか分からなければ不安ですし、どんな会社を選べば納得できる料金でしっかりした調査をしてくれるのか、判断に迷うこともあると思います。そこで、探偵事務所を選ぶ際の比較基準や、信頼できる事務所の特徴、避けた方がいい悪徳業者の見分け方などをご紹介します。
探偵事務所の特徴
パートナーの浮気を自分で調べるのではなく、調査のプロに依頼するメリットはどこにあるでしょう? また、調査会社にはどんな種類があるのでしょう? 探偵事務所と興信所の違い、大手事務所と個人事務所の違い、メリット・デメリットなどを解説します。
浮気調査をプロに依頼するメリット
パートナーが浮気しているかどうか、真実を明らかにしたいのなら確実な証拠を手に入れなければなりません。「浮気相手らしき女性からのメールを盗み見た」といった不確かな状況証拠しかない場合、勘違いの可能性もありますし、パートナーを問い詰めても言い逃れされたら終わりです。また、浮気相手やパートナーに慰謝料を請求するにあたっても、確実な証拠が必要になります。相手が慰謝料の支払いを拒み、裁判で決着をつけなければならなくなった時、法的に有効な証拠を握っていれば、請求が認められやすくなるからです。
では、確実な証拠とは何でしょうか? 浮気相手とのメールのやり取りも証拠にはなり得ますが、裁判で認められる可能性が最も高いのは、パートナーが浮気相手とラブホテルなどで密会している場面を写真や動画に収めたものです。しかし、ラブホテルに出入りする決定的シーンを撮影するためには、長時間にわたる尾行や張り込みをしなければなりません。しかも、肉体関係を1度持ったというだけでは証拠として弱いため、密会シーンを何度も撮影する必要があります。
また、パートナーに顔をよく知られている人が尾行や張り込みをすると、気づかれてしまう危険性があり、そうなればパートナーも用心して浮気の証拠をつかませないように立ち回るでしょう。このように、確実な証拠を自力で手に入れるのは非常に難しいため、浮気調査のプロに依頼する方が安全なのです。
探偵事務所と興信所の違い
日本では、探偵事務所は元警察官だった人が開業し、興信所は銀行の関係者によって創設されたという歴史があります。そのような経緯から、探偵事務所は刑事事件などで警察に協力して調査対象者の身辺を探り、興信所は企業の経営状態のチェックなど信用調査をメインに行っていました。従って、探偵事務所の調査対象が個人であるのに対し、興信所の調査対象は企業であることが多かったのです。
その後、探偵事務所では一般の個人からの依頼も広く引き受けるようになり、浮気調査や人探し、盗聴器発見などさまざまな調査に対応していきます。その中でも特に多いのは浮気調査で、現在では依頼の7割を占めるとも言われています。一方、興信所も企業調査だけでなく、浮気調査を引き受けることも多くなり、業務内容に大きな違いはなくなってきました。ただし、2007年に施行された探偵業法では、尾行や張り込みを行うことができるのは「探偵業」の届出をした探偵のみと定められています。つまり、浮気調査をするためには、興信所も探偵業の届出をして許可を受けなければならないのです。
大手事務所の特徴
規模が大きい探偵事務所には、多くの調査員がいるほか、カウンセリングを担当する相談員などのスタッフもいます。そのため、さまざまな案件に対応でき、依頼者へのフォローなども充実させることができます。調査内容によっては、人手をかけなければならない場合がありますが、大手探偵事務所であれば依頼者の希望に応じて必要な数の調査員を配置することができ、満足のいく成果をあげられます。また、尾行用の車両や高性能の撮影機材も揃っているので、高い調査能力を発揮できるのです。
調査体制が整っている大手探偵事務所は、多くのスタッフを雇う費用などをまかなうため、調査料金を高めに設定する傾向があります。しかし、経営努力によって調査料金を抑えている事務所もあるため、調査体制や調査実績と見比べながら、妥当な料金設定であるかどうかを検討しましょう。
個人事務所の特徴
個人探偵事務所の一つの特徴は、大手探偵事務所に比べて調査料金が安いところが多いということです。しかし、個人事務所は、抱えているスタッフが少ない分、調査に十分な人手を割けない場合があります。そのため、どうしても調査員の数が足りないという時は、アルバイトに調査を担当させるケースも見られます。また、個人探偵事務所の多くはそもそも依頼件数が少ないため、普段は別の仕事をやっていて、依頼があった時だけ調査を行うというのが実態の事務所もあります。
もちろん、かつて大手事務所に在籍して経験を積み、独立したような探偵であれば十分なスキルを持っているかもしれませんが、探偵業の届出はしているものの、実際には調査能力が低く、依頼者の期待に応えられない探偵も少なくありません。そういう探偵の中には、成果も出さないまま、高額な追加料金を請求する業者もいるので注意が必要です。
比較の際のチェックポイント
探偵事務所は全国に5000社以上あり、その中で自分の要望に適した事務所を選ぶために、何をどのように比較すればいいのか迷うところでしょう。探偵事務所についての情報はインターネットなどで調べられる部分もありますが、それだけではわからないこともたくさんあります。比較検討にあたってのチェックポイントを見ていきます。
ネットの情報を見る
探偵事務所を比較するのに最も手軽な方法が、Googleなどのインターネット検索を使って探偵社のホームページやランキングサイトを見ることです。ネットで検索すると、まず「広告」という表示の入った探偵事務所のサイトが、ページの一番上に出てきます。これは、お金を払って検索結果の上位に自社のサイトを表示させるサービスを利用したものです。このような会社は資金力がありスタッフも豊富ですが、広告費や人件費の負担が大きく、料金が高めになる傾向もあります。
各社のサイトを見ると、調査項目や調査の基本料金、各種料金プラン、事務所の所在地などの情報を得ることができ、比較検討の一つの目安になります。しかし、気をつけたいのは、調査実績などの紹介もなく「格安料金」をうたっている探偵事務所です。このような事務所の中には、サイトの宣伝文句と実態がまったく違うところもあるので鵜呑みにしてはいけません。一方、ランキングサイトは、条件設定などによりサイトごとに順位付けが違うこともあるため、やはり事務所の体制や実績をきちんとチェックすることが必要です。
電話や無料相談の対応をチェック
ネットの情報などを参考に、候補としていくつかの事務所を選んだら、そこに連絡を入れてみましょう。無料相談を受け付けている事務所は数多くありますので、それを利用して電話やメールで相談するのです。相談内容は「夫が浮気をしているような様子があるが、調査した方がいいか」といったものでも、「調査費用はいくらぐらいか」といったものでも構いません。相談の際にチェックすべきポイントは、親身になって話を聞き、ていねいな説明やアドバイスをしてくれるかどうかです。もし、相談員がいい加減な対応をしたり、逆に不安をあおったりするようなことを言って契約をせかすようであれば、依頼するのは見合わせた方がいいでしょう。
事務所に行ってみる
電話やメールでの対応がよかったとしても、それだけで探偵事務所を選ぶのは危険です。電話やメールでのやり取りと、会って話すのとでは受ける印象が大分違うかもしれません。依頼先を決める前に、事務所に行ってみるようにしましょう。実際に足を運んでみれば、事務所の雰囲気やスタッフの人数もわかるので安心材料になりますし、電話やメールより詳しい説明が聞けるはずです。逆に、事務所で話したいと言っても何のかんのと理由をつけて事務所に来させず、喫茶店などで面談しようとする探偵は要注意です。本当は事務所を構えていないのに、さも立派な事務所があるように見せかけ、費用を払ったら連絡が取れなくなるというトラブルもあるからです。
複数の事務所の見積もりを取る
事務所に行った際には、話した相談内容をもとに調査費用の見積書を作ってもらいましょう。実際に見積書を作ってみると、ホームページに記載されている金額や最初に説明を受けた金額と大きな差が出てくる場合もあります。また、相談時の印象がいくら良かったとしても、その事務所の見積もりを取るだけではなく、複数の事務所から見積もりを取ることが重要です。複数社から見積もりを取るのは、単に料金を比較するためだけではありません。見積書が誰にでもわかりやすく作られているか、不明な点について質問したらていねいに説明してくれるかといった事務所の対応もチェックできるからです。
基本料金を比較する
調査費用を比較するにあたって、基本となるのが調査員2~3名での1時間あたりの単価です。浮気調査を行う場合、尾行や張り込みを交替で行うことになるため、最低でも2名以上の調査員が必要になります。従って、調査員1名だけの料金を記載して調査費用が安く済むかのように見せかけるケースや、逆に必要以上に多くの調査員を配置しようとするケースには注意しなければなりません。また、探偵事務所によって最低調査時間が大きく異なることもあり、例えばA社の最低調査時間が4時間、B社の最低調査時間が8時間だとすると、調査単価は同じでも料金は倍になります。なお、東京や大阪など大都市での料金相場は、地方都市に比べて高めになっています。
その他の料金を比較する
基本料金とは別途に、調査時間が予定より長くかかった場合の延長料金や、急な依頼等で出動した場合の緊急出動料金、深夜割増料金、調査報告書の作成料金などを設定している事務所もあります。特に注意が必要なのは延長料金で、調査が難航しているようなふりをしてどんどん調査期間を引き延ばす悪質なケースもありますので、調査期間を延長する際には必ず依頼者の同意を得ることを確約させましょう。また、必要経費として、撮影機材代や尾行に使う車両代、ガソリン代や高速料金、調査対象店での飲食費、宿泊費などを請求されることもありますので、どこまでが基本料金に含まれているのか、確認しておかなければなりません。
料金プランを比較する
通常、探偵事務所ではいくつかの料金プランを用意しています。代表的なものは「時間型」「パック型」「成功報酬型」の3種です。時間型は、1時間あたりの調査料金×調査時間によって料金が決まるプランで、調査にかかる費用が明確でわかりやすいというメリットがあります。しかし、調査に時間がかかればその分費用がかさむため、調査が短期間で終わる見込みがある場合に適したプランと言えます。
次にパック型は、調査時間と調査人数が設定され、人件費をはじめ車両費や機材費などの諸経費をすべてまとめて一律の料金にしたものです。このプランは、支払額が最初から決まっているため安心感がありますが、時間内に調査が終わらなかった場合は、延長するか終了するかの選択をしなければなりません。
最後の成功報酬型は、調査が成功した時にだけ料金を払うプランで、調査が失敗して成果を得られなければ支払いは不要になります。依頼者にとっては都合のいいプランに見えますが、「何をもって成功とするか」という定義が曖昧だと、あとからトラブルになるケースがあります。いい加減な探偵になると、単に浮気相手と密会した事実を確認しただけで調査を終了し、裁判で使えるような確実な証拠を提出しない場合もあるからです。
支払いのタイミングをチェックする
どの段階で料金を支払うかは、探偵事務所や料金プランによっても異なります。契約が成立し、料金を支払ってから調査が開始されるパターンや、調査がすべて終了した後に支払いが行われるパターンもあります。また、成功報酬型のプランなどでは、着手金として調査料金の一部だけを先払いする場合もあります。支払のタイミングについて確認し、できれば複数の選択肢がある探偵事務所を選びましょう。先払いしか選択できない場合、調査結果に満足できなくても返金してもらえないケースが多いからです。
おすすめの探偵事務所は?
料金などを比較して、一見良さそうな探偵事務所が見つかったと思っても、そこが本当に満足のいく調査を行ってくれるとは限りません。調査体制や調査スキルが不十分で、成果を上げられない事務所もあるからです。信頼できる、おすすめの探偵事務所の特徴を紹介します。
住まいの近くに支店・支社がある
調査を依頼する際には、自宅から通える探偵事務所を選んだ方が便利です。調査が始まると、情報や証拠写真などの確認をすることも必要になるため、できれば電話でのやり取りだけでなく、探偵と直接会った方が話をスムーズに進められます。その場合、事務所が遠方にあると交通費の負担も大きくなりますし、長時間家を空けなければならないのは何かと不都合です。ただし、探偵事務所と自宅が近すぎても、事務所に出入りするところを近所の人に見られて調査を依頼していることが知られてしまう可能性がありますので、生活圏から少し外れたところにある事務所を選んだ方がいいでしょう。
なお、日本各地に支店や支社があるかどうかも、事務所選びの一つのポイントになるかも知れません。調査ターゲットが、出張と称して浮気相手と旅行などに行った場合、各地の調査員が連携してターゲットを追跡できるからです。例えば、ターゲットが東京から大阪に出かけて宿泊するのだとすれば、途中から大阪の調査員に引き継ぐことで調査にかかる宿泊費などの経費を抑えることも可能になります。
浮気調査の実績が豊富
探偵事務所や興信所が行う調査には、浮気調査のほかに人探しや素行調査、企業調査などがあり、それぞれ得手不得手があります。浮気調査を数多く扱っている事務所であれば、浮気をする人の行動パターンにも精通しているはずですので、いつ・何を・どのように調査すればいいのかわかり、効率的に確実な証拠を押さえることができるでしょう。逆に、浮気調査の実績が少ない事務所に依頼すると、成果を得るまでに思わぬ時間がかかり、調査費用がかさんでしまうかもしれません。浮気調査を得意としている事務所なら、ホームページなどにその実績を掲載しているでしょう。もし、実績が分からなければ、事務所に直接問い合わせてみるのも一つの方法です。
料金や調査方針が明確でリーズナブル
浮気調査を行う場合、多くの時間と労力をかけたとしても、浮気の証拠を必ず押さえられるとは限りません。そもそもパートナーが浮気しているというのが思い込みにすぎず、実際には浮気をしていないのだとしたら証拠をつかみようがありませんし、浮気相手と会う頻度が少なければ密会シーンを押さえるタイミングも難しくなります。そういう場合、価格設定が曖昧だったり、調査方針がピント外れだったりすると、時間ばかりかかって費用がどんどん膨らんでいくことにもなりかねません。
安心して調査を依頼するためにも、料金がリーズナブルなだけでなく、調査方針や追加料金などが明確になっていて、中間報告や調査が上手くはかどらない時の説明・相談もきちんとしてくれる事務所を選ぶべきです。
スタッフの数が多い
大手探偵事務所の中には、スタッフが100人近くいるところもあります。これは、実際に調査を行う調査員に加えて、依頼者の悩みを聞いてアドバイスを行う相談員やカウンセラーも含まれているからです。もちろん、スタッフの数がそのまま事務所の信頼度を表すわけではありませんが、スタッフが多い事務所は、その分教育体制などもしっかりしていて、高いスキルを持った調査員が揃っていることも少なくありません。
また、前にもお伝えした通り、調査員が豊富にいれば、人手をかけなければならない調査案件であっても依頼者の希望に応じて必要な数の調査員を配置できますし、クリスマスなど浮気相手との密会が増える繁忙期にもしっかり対応することができます。
設備・機材が充実している
慰謝料の請求に関して裁判になった時、法的に有効な証拠と認められるためには、浮気相手との密会シーンを鮮明にとらえた写真や動画が必要になります。浮気調査の場合、調査ターゲットに気づかれないようにするには、ターゲットから離れた場所で隠し撮りをしなければなりません。また、浮気相手と会う時間帯は夜間が多い上、ラブホテルの出入り口などは照明が明るいわけではないので、暗い環境の中でパートナーと浮気相手の顔をはっきりとらえることが求められます。そのためには、探偵事務所は望遠カメラや暗視カメラなど高性能の機材と、高度な撮影スキルを備えていなければなりません。
探偵事務所を訪れた際には、調査に使用する機材を見せてもらうことをおすすめしますし、「企業秘密なので見せられない」などと拒否するようなら、必要な機材を持っていないのではないかと疑われても仕方ありません。また、機材はあっても、それを調査で使いこなしていない場合もありますので、機材の使用方法についても質問してみた方がいいでしょう。
調査報告書のレベルが高い
調査が完了した後に作成・提出される調査報告書の内容も、探偵事務所を選定する上で重要なポイントになります。きちんと作られた調査報告書であれば、それ自体が裁判でも使える証拠になりますし、探偵事務所の調査能力を知る目安にもなるからです。面談の際に、調査報告書のサンプルを見せてもらうのもいいですし、事務所によってはホームページでサンプルを公開しているところもあります。
信頼できる探偵事務所の調査報告書であれば、「いつ・どこで・誰が・誰と・何をしたか」が克明に記載されていて、調査ターゲットの行動がすべてわかるようになっているはずです。また、報告書には写真のほかにDVDが添付されるケースもあり、その画像を見れば撮影技術のレベルも確認できるでしょう。
アフターフォローがある
浮気調査を依頼するのであれば、調査が終了した後のフォローも行き届いている会社を選んだ方が安心です。調査によって証拠をつかんだとしても、それをどのように利用すればいいのかがわからなければ役には立ちません。浮気の証拠は、パートナーと離婚する場合でも、パートナーと別れずに浮気相手に慰謝料を請求する場合でも使えますが、請求の段取りをするためには法的知識が必要です。
また、離婚するとなれば、財産分与や養育費などさまざまな問題を処理しなければなりません。それに対して、探偵事務所が何もフォローしてくれなければ、自分の力で専門家を探さなければならないのです。一方、その事務所が離婚カウンセラーや弁護士と協力関係にあれば、必要なアドバイスが得られ、スムーズに問題解決を図ることができるでしょう。
悪徳業者の見分け方
残念なことに、探偵事務所の中には、まともな調査をしなかったり、高額な追加料金を請求してきたりする悪徳業者もいます。そんな業者に引っかかると出費がかさむだけでなく、後々大きなトラブルになる可能性もあります。契約してはいけない探偵事務所を見分ける方法をご紹介します。
探偵業の届け出をしているか
最初にお伝えしたように、尾行や張り込みを行うことができるのは「探偵業」の届出をした探偵のみと定められています。そこで、探偵事務所を営むにあたっては、公安委員会にこの届出をして「探偵業届出証明書」を発行してもらわなくてはなりません。逆に言えば、探偵業届出証明書がない事務所は、法律に違反している可能性があるということです。
探偵事務所は、この証明書を見やすい場所に表示しなければならないことになっていますので、事務所を訪問した時に証明書を見せてもらいましょう。また、証明書には番号が記載されており、探偵事務所のサイトの支社・支店の紹介ページなどにも番号が掲載されているため、事前に番号の有無を確認することもできます。
行政処分を受けていないか
探偵は、探偵業法にのっとって調査を行わなければならず、違法な調査をしたり、調査でつかんだ秘密をタテに恐喝するといった行為は絶対に許されません。こうした不正を防ぐために、各都道府県の公安委員会は探偵業法に違反した業者に対して改善等の指示や、営業停止、営業廃止などの行政処分を科すことができます。
また、行政処分を受けた探偵業者は3年間、社名や処分内容が公表されることになっており、事務所の所在地の警察や公安委員会のホームページで確認することができます。違法調査で得た証拠は裁判で使うことができないばかりか、浮気相手などから訴えられる場合もありますので、行政処分の有無をチェックしておきましょう。
誇大広告をしていないか
探偵事務所の中には、ホームページなどで自社の実績について誇大広告をしているところもあります。例えば、「調査成功率100%」と謳っているような事務所です。一口に「成功」と言ってもその定義はまちまちで、不倫の確実な証拠を押さえられなかったのに、「不倫の事実は確認できたから調査は成功だった」と主張してしまえば「成功率100%」も達成できるわけです。また、自社が持っていない機材や、水増しした調査員・相談員をホームページに並べている事務所もありますので、事務所に必ず足を運んで、宣伝されているような調査体制や機材が実際に整っているかどうかを自分の目で確かめましょう。
料金が安すぎないか
ホームページで「格安料金」を謳っている探偵事務所も要注意です。きちんとした調査を行うには、それなりの人手や時間がかかるため、ある程度の費用が必要になります。それにもかかわらず、相場に比べてあまりにも安い料金を提示しているのであれば、まともな調査をする気がないか、見積もりを安くしておいて後から高額な追加料金を請求するのではないかと疑われても仕方ありません。
地域などによって差はありますが、調査員2名・1時間あたりの料金を2万円前後に設定している事務所が多いようです。従って、これよりも大幅に安い料金を謳っている場合は、事務所の体制や調査方法について納得のいく説明を受ける必要があります。
重要事項の説明があるか
探偵事務所は依頼者と契約を結ぶ際、契約書のほかに探偵業法で定められた「重要事項説明書」を用意し、説明を行う義務があります。重要事項には、金額と料金の支払い時期、業務内容、契約解除に関する事項などが含まれます。不明な点があれば説明を求めましょう。
また、事務所以外の場所で契約を行う場合は、契約書に「クーリングオフ」に関する事項を記載しなければなりません。クーリングオフとは、契約から一定期間の間は依頼者が望めば契約を解除することができる制度です。なお、公安委員会へ届出ている事務所の中で契約を行う場合は、クーリングオフの記載は必要ありません。
まとめ
「パートナーの浮気の事実を明らかにする」「慰謝料を請求して問題解決を図る」といった目的を達成するためには、裁判でも認められるような確実な証拠が必要になります。しかし、一般の人が自分で証拠を集めるのは難しいため、探偵事務所などの浮気調査の専門家に依頼することを考えなければなりません。調査会社には、規模や調査能力、得意とする調査分野などに違いがあり、ネットの情報だけでなく実際に自分で事務所を訪れて比較検討することも重要です。また、誇大広告をうのみにすると、満足のいく成果が得られないばかりか、トラブルに巻き込まれることにもなりかねません。信頼できる探偵事務所かどうかをしっかり見極めてから調査を依頼しましょう。