浮気・不倫の解決と探偵事務所
幸せは取り戻せますか? 第4話 浮気調査の開始
夫を浮気相手ときっぱり別れさせ
夫婦関係を修復したいA子さん
A子さん(女性/30代)の場合
夫の浮気調査を相談するため、 A子さんは安心探偵.comから紹介された探偵事務所に面談に行きました。そこで、さまざまなアドバイスをもらったり、浮気調査について説明を受けたA子さんでしたが、調査依頼までは踏み切れませんでした。そこで、いったん帰宅し、本当に夫の浮気調査を探偵事務所へ依頼するかどうか、もう1度じっくり考えてみることにしました。
A子さんは、それからどのように考えて、浮気調査を依頼することを決めたのでしょうか。また、調査費用はどれくらいかかるのでしょうか。そして、探偵事務所の行う浮気調査とはどのようなものなのでしょうか。A子さんにお聞きしました。
浮気の調査の依頼を決意
私は、探偵事務所に面談に行っていろいろと説明を受けた後も、本当に夫の浮気の調査を依頼するかどうか迷っていました。迷っている大きな理由は2つありました。
1つは「やはり、本当は夫は浮気をしていないのではないかと、夫を信じたい気持ち」です。言い換えれば、自分が裏切られていることを認めたくない気持ちがあったからだと思います。でも、それは結局、真実から目を背けて逃げているだけだと、だんだん考えられるようになりました。
2つ目は、浮気をしていることがはっきりした場合、その先どうしたらよいのか分からなくて不安だらけだったからです。でも、その場合には相談に乗ってくれると、探偵事務所のコンサルタントの方は言っていました。実際に今までにも多くの相談を受けて、1番良い方法を一緒に考えてきたそうです。それから、こんなこともおっしゃっていました。
『浮気の証拠をおさえて、旦那さんがどんな相手とどんな関係になっているか分かると、具体的にどうすればいいのか考えられるようになります。そうなると、気持ち的には楽になってくると思います。先が何も見えない状態から、だんだん見えてくるようになって、先が明るくなるはずです。
それに、証拠があれば、旦那さんに対しても、浮気相手に対しても、強く有利な立場で交渉できるようになります。現在の無力な状態から、そういった立場になることができるだけでも、精神的な余裕もかなり出てくるのではないでしょうか。問題を解決することを第一に考えて、その方向に進むことが大事だと思います』
そんなことを思い出しながら考えて、私は夫の浮気調査を探偵事務所に依頼することを決意しました。そして、探偵事務所に連絡し、もう1度訪れて調査の契約を結びました。
調査費用について
探偵事務所にお支払いする調査費用については、前回に面談した時に説明を受けていました。費用は、調査内容や、それぞれの探偵事務所によって違うかもしれませんが、私が依頼するの調査の場合は、3日間の調査で約30万円とのことでした。
探偵事務所では、探偵のことを調査員と呼ぶようなので、私も調査員という言葉を使いますが、浮気調査は3人の調査員が1組になって行うのが基本だそうです。尾行や張り込みをしていることがバレないように、状況に応じて臨機応変に対処しながら調査できるように、3人必要だそうです。
その調査員1人あたりの費用が、この探偵事務所では1時間6,000円なので、3人で18,000円。そこに諸経費が加わって1時間で2万円になります。浮気調査は最低3時間から行うので6万円になり、それに車両費や交通費などの諸経費が加わって、1日約10万円からということになるそうです。
そして、それを3日間行うという前提で約30万円という金額だそうです。もちろん、実際には、私が依頼する浮気調査の内容や調査方法について詳しく相談して、それに基づいて調査費用を計算していただき、もっと詳しい見積書を発行してもらいました。
決して安くはない額だとは思いましたが、それで夫婦関係と家庭の崩壊を防ぎ、幸せな家庭を維持できるなら高くはないと思いました。取り返しのつかない事態になる前に、できることはやっておかないと、後になって激しく後悔するはずで、そうなることは絶対に避けたいと考えたのです。
調査開始
契約を結んでから浮気調査の開始ということになるわけですが、すぐに夫を尾行し始めるというようなことではありませんでした。考えてみれば当たり前のことですが、闇雲に夫を尾行しても、いつ浮気相手と会うかわかりません。無駄な調査時間ばかり増えて、調査費用が上がっていくだけです。
探偵事務所の方々は、夫が残業だと言って帰りが遅くなる日が、水曜日に多いことに着目していました。そして「水曜日に残業だと偽って浮気相手に会っている可能性が高い」と考えたようで、「水曜日に調査を行いたい」と、言われました。私はその考えに同意し、さっそく次の水曜日に調査が開始されることになったのです。
事前に探偵事務所から受けていた説明などから想像すると、調査員の方々は、水曜日、夫の勤務先に退勤予定時刻の前から張り込み、夫が出てきたところから尾行を開始したようです。
調査員の方々は、あらかじめ夫の顔を私が渡した写真で確認するとともに、この日の朝には、私たちの自宅前にも張り込んで、出勤する夫の顔を実際に確認していたようでした。
私は、探偵事務所から「調査中に、調査の経過を連絡して欲しいですか」と、事前に聞かれていて、「連絡をして欲しい」と告げていました。そのため、実際に調査が開始されると、私にその連絡が入ってきました。「いよいよ調査が始まってしまった」と、何ともいえない不安に包まれたのが、その時の私の正直な気持ちです。
A子さんの夫の浮気は、探偵事務所の調査で明らかになるのでしょうか「次回第五話」へ、つづく
解説
探偵業法と調査契約
探偵の業務は「探偵業の業務の適正化に関する法律」の定めに従って行われなければなりません。この法律の呼び名は「探偵業適正化法」と略されることもありますが、多くの場合は「探偵業法」と略されて呼ばれています。ここでも探偵業法と表記します。
探偵業法にはさまざまな定めがありますが、調査の依頼者と探偵事務所が交わさなけれればならない契約などについも定められています。たとえば、探偵業法の第7条には次にようにあります。
探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結しようとするときは、当該依頼者から、当該探偵業務に係る調査の結果を犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いない旨を示す書面の交付を受けなければならない。
つまり、調査を依頼する方には「調査の結果を犯罪や差別、その他の違法行為に使わない」という誓約書を書いてもらう必要があります。そして、探偵事務所は、その誓約書を受けとる義務があるということです。 調査を依頼する方が、調査結果を違法に利用する恐れがある場合は、探偵事務所は調査依頼を断らなければなりません。
また、探偵業法8条の第2項は次のような定めがあります。
探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項について当該契約の内容を明らかにする書面を当該依頼者に交付しなければならない。
- 商号、名称又は氏名及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
- 探偵業務を行う契約の締結を担当した者の氏名及び契約年月日
- 調査の内容、期間及び方法
- 調査の結果の報告の方法及び期限
- 探偵業務の委託に関する定めがあるときは、その内容
- 対価その他の当該探偵業務の依頼者が支払わなければならない金銭の額並びにその支払の時期及び方法
- 契約の解除に関する定めがあるときは、その内容
- 探偵業務に関して作成し、又は取得した資料の処分に関する定めがあるときは、その内容
調査を依頼される方に対して、探偵事務所は連絡先や調査方法、調査費用、その他調査契約の内容などを明らかにした書面を渡さなければなりません。
探偵業法の定めによって、調査の依頼者も探偵事務所も法的に守られることになり、安心して調査依頼をすることができるようになります。探偵事務所での事前の面談は、こうした重要事項を説明し、書面を取り交わすするためにも重要なのです。
探偵事務所が行う浮気調査とは
探偵事務所が行う浮気調査の方法は、尾行と張り込みが中心になります。この調査によって「浮気・不倫の証拠をおさえる」のです。ここでいう浮気・不倫とは、パートナー以外の人と肉体関係を持つことで、法的には「不貞行為」と呼ばれます。ですので、法的には「不貞の証拠をおさえる」ということになります。
Aさんの調査依頼を例に説明すると、A子さんの夫と浮気相手の「不貞行為」を証明できる写真が撮影できれば、不貞の証拠になります。具体的には、一緒にラブホテルなどに出入りしているところを撮影したものなどです。
ここで重要なのは、ラブホテルに入るところと出るところの両方をしっかりおさえることが必要だということです。両方をおさえていないと、不貞の証拠としては弱いと判断されます。また、証拠としては複数回の不貞をおさえたいところです。目安としては、ラブホテルの場合は2回以上が望ましく、自宅の場合は3回くらいが望ましいとされています。
1回だけラブホテルに出入りした写真があっても、「急に体調を崩したので、休むためにしかたなく入った」と、いったような言い訳ができてしまう可能性がありま。しかし、2回も同じことを繰り返したら、それはおかしいということになります。自宅の場合だと、不貞行為のためではなく、仕事やその他の理由で入ったと言い訳できる場合があるので、ラブホテルより多い証拠を揃えることが望ましいのです。