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既婚者なのに(妻がいるのに)なぜ浮気をするのか?

ベットで抱き合う男女

ドラマや芸能人のゴシップ報道などで、「浮気」「不倫」という言葉をよく耳にしますが、既婚者の男女が2人で食事をしただけでも浮気になるのか、それとも手をつないだりキスをしたりしなければ浮気にはならないのか、どこで線引きすればいいのでしょう? また、その一線を越えて、夫が妻以外の女性と肉体関係を持ってしまう理由は何なのでしょう? 浮気・不倫の定義や、浮気をする夫の心理、そして浮気相手に慰謝料を請求できるケース・できないケースなどを紹介します。

浮気・不倫の定義は?

浮気・不倫のイメージ

どこからが浮気になるのかというボーダーラインは、人それぞれに違いますね。また、浮気・不倫の定義は、世間で考えているものと、法的な解釈とでは違ってきます。不倫・浮気はそもそも何を意味するものなのかを解説しましょう。

浮気と不倫の違いとは?

法的には、「浮気」「不倫」といった用語はないため、あくまで一般的なイメージとして、配偶者や恋人以外の異性と親密になることを指す言葉だと考えていいでしょう。従って、浮気と不倫の違いも明確ではありませんが、世間的には浮気は不倫より幅広い意味でとらえられているようです。

例えば、辞書で「浮気」を調べると、「妻や夫など決まった人がいながら他の異性と情を通じること」などと記されているほか、「異性から異性へと心を移すこと」とも書かれています。つまり、特定のパートナーがいながら別の異性と関係を持つことだけでなく、パートナーがいなくてもいろいろな異性に目移りするようであれば「浮気性」と言われるわけです。

これに対して、「不倫」は、辞書の中では「人の道にはずれた男女の関係」などと説明されていて、より不道徳な関係を連想させます。一般的な見方としては、結婚している男性・女性が配偶者を裏切ってほかの異性を好きになり、肉体関係を結ぶというのが不倫のイメージではないでしょうか。つまり、「既婚者による肉体関係を伴う浮気」が不倫だということになります。

世間的には、どこからが浮気?

浮気についての厳密な定義がないわけですから、「ここからが浮気」という境界線を一律に決めることもできません。浮気の線引きはあくまで当事者同士の問題で、パートナーがこれは浮気だと感じたところからが浮気になるということでしょう。

では、世間の声としては、どこからが浮気とする意見が多いのでしょうか? 2016年に、マイナビウーマンが男女それぞれに向けて「浮気のボーダーラインはどこ?」というアンケートをとっています。 まず、男性の結果から見てみましょう。

  • 1位「キスをする」……42.3%
  • 2位「手をつなぐ」……28.8%
  • 3位「肉体関係を持つ」……23.1%
  • 4位「ハグをする」……5.8%

男性の多くが、キスをするということが浮気の始まりだと考えています。お互い合意の上でのキスは、一線を越える行為であり、男女の関係に発展していく最初のステップととらえているようです。では、女性の意見はどうでしょうか?

  • 1位「手をつなぐ」……40.9%
  • 2位「キスをする」……31.8%
  • 3位「肉体関係を持つ」……19.5%
  • 4位「ハグをする」……7.8%

女性では、「手をつなぐ」が1位になりました。これは、キスは大切な人との親密な行為だから当然アウトで、それ以前に異性に好感を持って体に触れるだけでも許せないという意見ですね。女性にとっては、相手に対して少しでも気持ちがあること自体が「浮気」ということになるのでしょう。ですから男性が、「まだキスはしていないから浮気じゃない」と弁解しても、女性には通用しないかも知れません。

法的なボーダーライン

浮気・不倫などの行為に対する法的な解釈は、アンケートにあるような世間的な解釈とは異なります。単なる恋人ではなく、婚姻関係・婚約関係・内縁関係にある男女の場合、法律では「貞操義務」を負うことになっています。これは、パートナー以外の異性と体の関係を持ってはならないという義務であり、それに違反するは離婚や慰謝料を請求される原因となるのです。パートナー以外の異性と肉体関係を持つ行為は、法律では「不貞行為」と呼ばれており、世間がイメージする「不倫」に近いです。

しかし、不倫と違うのは、相手に対する恋愛感情があってもなくても、体の関係さえあれば不貞行為と見なされる点です。従って、パートナーが風俗店で繰り返し性的サービスを受けていた場合、不貞行為に該当することもあります。しかし、パートナーが配偶者以外の異性と恋愛し、デートを重ねてキスなどをしても肉体関係がなければ不貞行為には当たりません。もちろんそれによって配偶者が激しい精神的苦痛を受ければ、慰謝料の請求が認められることもありますが、不貞行為があった場合に比べて請求額が低くなるのが実情です。

夫が浮気する理由は?

出会い系サイトを見る既婚男性

妻という存在がありながら、なぜ夫は浮気に走るのでしょうか? もともと女好きだから・浮気性だから、という男性もいるでしょうが、中には精神的な問題や家庭環境の問題が浮気の一因になっているケースもあります。浮気をする既婚男性の心理はどのようなものなのでしょうか。

ストレス発散のため

現代社会は、ストレス社会と呼ばれているように、さまざまなストレスを抱えている人がいます。例えば、仕事のトラブルや上司・部下との人間関係など会社生活の悩みもあるでしょうし、家庭に対する不満が溜まっている場合もあるでしょう。ストレスを感じるのが会社にいる時だけであれば、まだ気持ちの切り替えもできますが、夫婦関係がうまくいっておらず、家に帰ってもギスギスした空気になっているようだと心が休まらず、さらにストレスが溜まる一方です。

そんな時、趣味やスポーツでストレスを解消する人もいますが、中にはストレスのはけ口を求めて浮気に走る人もいます。たとえば、同じ職場で働いている女性であれば、仕事の苦労や会社への不満も理解してくれます。自分の悩みを受け入れてもらうことでストレスの発散にもなるため、同僚や部下の女性と浮気をするケースが少なくありません。

寂しさを紛らわすため

いつも誰かがそばにいて、自分のことを気にしてくれていないと不安を感じてしまう、「かまってちゃん」タイプの夫は、妻が相手にしてくれないと孤独感を募らせ、その寂しさを埋めてくれる相手を求める場合があります。例えば、結婚当初はいつも自分のことだけ見てくれていた妻が、子供が生まれて「母」になって子供のことばかりかまうようになると耐えきれなくなり、自分にだけ愛情を向けてくれる女性を浮気相手に選んで安心感を得ようとするのです。

そういう相手なら、いつも自分に優しくしてくれますし、家庭への愚痴や不満もちゃんと聞いてくれて、慰めたり励ましたりしてくれるでしょう。浮気相手と会っていると心の安らぎが得られるため、ズルズルと関係を続けてしまいます。

現実逃避のため

ストレス発散と同じように、つらい現実から逃避するために浮気に走る場合もあります。例えば、会社で仕事が思い通りにいかず、なかなか成果が出ない、努力しても認めてもらえないということもあるでしょう。また、結婚当初は優しかった妻が、だんだんきつい性格になり、思い描いていた結婚生活とは程遠いものになっていることに違和感を抱いている男性もいるかも知れません。

そんな男性の中には、理想と現実のギャップから目を背けようとして、浮気という非日常的な世界に逃げ込む人がいます。浮気相手となら、結婚する前に戻ったように恋人気分を味わうことができますし、自分の私生活を知らない相手の前では、現実世界でのふがいない姿を忘れて理想の自分でいられるため、心のバランスをとることができるのです。

欲求不満のため

男性は性的欲求が高い傾向にありますが、欲求を満たすために浮気する男性も少なくありません。一番よくあるのは、パートナーとセックスレスになっているケースです。例えば、妻の妊娠中や出産してしばらくの間はセックスレスになるため、性欲のはけ口としてほかの女性と体の関係を持ってしまう男性もいます。また、子育てに追われて妻の立場より母親としての立場が優先されてしまったことで、夫婦の営みがなくなる場合もあります。

そういう時、風俗店などで性欲を満たす男性もいますが、出会い系サイトで相手を探したり、身近なところで欲求を満たしてくれる相手を見つけたりして浮気を始める男性がいます。特に性欲の強い男性は、欲求が高まるたびにそれを解消しようとしますので、何度も浮気を繰り返すことになるでしょう。

スリルを味わうため

夫婦生活が長くなると、結婚したての頃のような新鮮さはなくなってきます。そうすると、安定した日常に特に大きな不満はなく、夫婦仲も悪くないのに何か物足りなさを感じ、刺激が欲しくなるという身勝手な男性もいます。そんな時に、妻とは違った魅力を持つ女性に出会うと興味をそそられ、忘れかけていた恋愛感情に再び火が付くのです。

そもそも恋愛にはドキドキする高揚感がありますが、特に不倫は人に知られずに関係を続けなければならないというスリルもありますし、妻を裏切って別の女性と付き合っているという背徳感が強い刺激になります。さらに、職場不倫であれば、普段は上司と部下、同僚同士として振る舞いながら、密かに男女の関係を続けることに一層強い刺激を感じる男性もいるでしょう。一度刺激を味わってしまうと、不倫が止められなくなる人もいますので要注意です。

家に居場所がないため

人には誰しも自分のことを認めてもらいたいという「承認欲求」があり、それが満たされないと虚しさや孤独を感じます。特に仕事人間の男性の中には、会社では勤勉で有能な社員としてその能力を評価されているのに、家では家族を顧みないダメな夫・ダメな父親と見下され、うとんじられている人もいます。本人としては、家族が不自由なく暮らせるように残業も厭わずに働いているつもりなのに、その努力が家族に認められないどころか、逆に文句ばかり言われて邪魔者扱いされていると、家に自分の居場所がないように感じてしまいます。

そんな時に、自分のことを認め、尊敬してくれる女性に出会うと自信がよみがえり、救われたような気持になるはずです。当然、自分を非難してばかりいる家族と過ごすより、承認欲求を満たしてくれる相手と過ごす方が心地良いため、だんだん家から足が遠のいていきます。夫を浮気相手から引き離すためには、日ごろ頑張っている夫に時には感謝の気持ちなどを伝え、居心地のいい家庭環境を作ることが大事です。

優柔不断で断れないため

人から頼みごとをされると、先々後悔するとわかっているのに「NO」と言えなかったり、波風が立つのが嫌で自分の意見をはっきり主張できない男性がいます。こういう優柔不断なタイプが、女性から熱烈にアプローチされると断ることができずに関係を持ってしまうケースもあります。浮気はいけないことだと理解してはいても、相手を傷つけたくないという気持ちが働いて「1度だけなら」と相手を受け入れてしまうのです。

しかし、相手が押しの強い女性の場合、簡単には別れてくれず、関係の継続を迫られるかもしれません。そうなると、また優柔不断な性格が災いして、ずるずると浮気を続けてしまう危険性があります。そして、浮気が泥沼化した挙句、すべてが明るみに出れば、浮気相手も妻も深く傷つけることになりかねません。優柔不断な男性の浮気は、早期に察知して関係を清算させたいものです。

浮気が原因で慰謝料を請求できる場合

封筒に入った慰謝料

夫の浮気を知っても、手をこまねいているだけでは問題を解決することはできません。浮気を阻止する一つの方法として、浮気相手への慰謝料請求があります。それまでパートナーと2人だけの世界を楽しんでいた浮気相手が、突然慰謝料を請求されてショックを受け、不倫関係を解消するケースはよくあります。また、慰謝料は離婚をしない場合でもパートナーに請求することもできます。慰謝料を請求できる条件を確認し、可能であれば慰謝料を勝ち取って2度と浮気しないように懲らしめましょう。

慰謝料とは?

先にお伝えしましたが、婚姻関係・内縁関係・婚約関係にある男女は、貞操義務を負うことになっており、パートナー以外の異性と肉体関係を持つ行為は、貞操義務に反する「不貞行為」に当たります。その不貞行為によって精神的苦痛を受けた場合、不貞行為を働いたパートナーや浮気相手に対して慰謝料を請求することができます。信じていたパートナーに裏切られることは、配偶者に大きな精神的ダメージを与えるものであり、そのダメージに対する損害賠償として慰謝料を支払うことを命じられるのです。

しかし、慰謝料を請求するためにはさまざまな条件があり、また浮気の状況や精神的ダメージの大きさによって支払われる金額も変わってきます。例えば、夫の浮気を知った妻が強いショックを受けてそれ以上結婚生活を続けられなくなり、離婚するといった場合には、高額な慰謝料が支払われる可能性があります。一方、夫の浮気を知って苦痛を受けたが、離婚せず婚姻関係を続けるケースでは、慰謝料の金額が低くなるのが一般的です。また、浮気の期間が短い場合も少額になる傾向がありますし、肉体関係を持ったのが一度だけというケースでは、そもそも慰謝料請求が認められないこともあるのです。

既婚者であることを相手が知っていた

慰謝料が請求できる条件としてまず必要なのが、「故意・過失」があったかどうかです。ここで言う「故意」とは、妻の権利を侵害することになるとわかっていながら浮気をしたということです。具体的には、浮気相手が夫のことを既婚者であると知っていたにもかかわらず、肉体関係を持ったのであれば、「平穏な夫婦生活を送る」という妻の権利を故意に侵害したことになり、慰謝料の請求が認められます。

浮気相手との会話の中で、妻がいることを夫が公言していたり、妻に対する不満などを漏らしていれば当然既婚者だとわかりますし、最初は既婚者だと知らずに付き合い始めたのだとしても、事実がわかった後も関係を続けていたのだとしたら、故意の浮気と見なされます。

既婚者であることを相手が知ることができた

一方の「過失」とは、不注意や怠慢によって違法なことをしてしまうことで、普通に注意を払っていれば自分の相手が既婚者である事実に気付くはずであったにも関わらず、注意を怠ってそれに気付かなかったことを指します。例えば、「左手の薬指に指輪をしていた」「自宅に行くことを拒まれる」「自宅の住所や電話番号を教えない」といった状態であれば、相手が既婚者ではないかと考えるのが普通です。

その事実にうすうす勘づいていながら、結婚しているかどうか確かめることもせず、肉体関係を持ってしまうと「過失」による不法行為を犯したことになるのです。慰謝料を請求された際に、支払いを回避しようとして「既婚者だとは知らなかった」と主張してくるケースもありますが、状況的に見て既婚者だと知り得たのであれば、そのような主張は認められません。

婚姻関係が破たんしていると勝手に考えていた

後述しますが、夫と妻の婚姻関係がすでに破たんしていた場合は、別の異性と肉体関係を持ったとしても不貞行為とは認められにくくなります。ですので、実際に婚姻関係が破たんしていた時はもちろんのこと、婚姻関係が破たんしていると浮気相手が信じ込んでいた時も、故意に不法行為をしたわけではないので、慰謝料の請求は難しくなります。

しかし、既婚男性が浮気相手の気持ちをつなぎとめるために、「妻とは別居中だ」「妻と離婚協議をしているところだ」などといい加減なことを言うのはよくある話です。そう言いながら、いつまで経っても離婚する気配がないとか、別居しているはずなのに奥さんが夫の衣類を洗濯している様子があるといった状況であれば、本当に夫婦が破局しているのかどうか疑問を抱くはずです。それにもかかわらず、事実を確かめようともしないで関係を続ければ「過失」による不法行為と見なされるため、慰謝料請求が可能になります。

浮気によって夫婦関係が悪化した

前にもお伝えしたように、浮気が原因で離婚するなど、修復できないほどに夫婦関係が破たんした場合は、高額な慰謝料を請求できますが、離婚には至らなくても浮気によって夫婦関係が悪化したのであれば、慰謝料請求が認められる可能性があります。離婚してもしなくても、浮気という不法行為によって「平穏な夫婦生活を送る権利」が侵害され、妻が精神的苦痛を受けたことには変わりないからです。ですので、離婚した場合に比べて少額になるかもしれませんが、慰謝料請求をすることができるのです。

親密な交際のせいで夫婦関係が破たんした

浮気相手に恋愛感情を持っていても肉体関係はなく、親しく交際しているだけなら絶対に慰謝料は請求できないのでしょうか? 確かに、肉体関係がなければ不貞行為を働いたことにならないため、一般的には慰謝料を請求するのは困難です。

ただし、例外として、夫と浮気相手がデートやキスなどを繰り返し行ったことで妻が大きな精神的ダメージを受け、婚姻関係が破たんした場合、慰謝料請求ができることもあります。他の異性と友人関係を超えた親密な交際をすることによって、配偶者の「平穏な夫婦生活を送る権利」が侵害されたと見なされるからで、最近はこのように肉体関係がないケースでも慰謝料請求が認められる事例も増えているようです。

慰謝料請求ができない場合

慰謝料が請求できない事にショックをうける既婚女性

パートナーが浮気をしているのが事実であっても、条件を満たしていないために慰謝料が請求できないケースがあります。一方、条件は整っているのに、請求するタイミングが遅かったり、浮気の証拠を押さえておかなかったために請求が認められない場合もあります。そういう残念な結果にならないように、しっかり準備をしておくことが大切です。

パートナーと婚姻関係になかった

法律では、婚姻関係にある者が、配偶者以外の異性と肉体関係を持ってはならないという「貞操義務」を定めています。その義務を守らず、夫が浮気をすると、「平穏な夫婦生活を送る権利」を侵害したことになり、不法行為が成立するのです。逆に言えば、婚姻関係にない者には貞操義務もないため、パートナーが自分以外の異性と肉体関係を持っても不法行為にはならず、慰謝料の請求ができません。

ただし、正式に結婚していなくても、内縁関係(事実婚)であれば、貞操義務が生じます。お互い婚姻の意思がありながら、婚姻届けを出さずに共同生活を送っていれば、夫婦としての実態があると見なされるため、浮気相手に対する慰謝料請求が認められるのです。また、婚約しているカップルも、婚姻関係を結ぶことを約束した間柄なので貞操義務が発生し、慰謝料の請求が可能になります。

既婚者であることを相手が知らなかった

前章で触れたように、既婚者だと知りながら浮気相手が夫と肉体関係を持った場合(故意)や、既婚者だと知り得たにもかかわらずその事実を確かめなかった場合(過失)は、浮気相手に対して慰謝料を請求することができます。反対に、夫が既婚者であることを知らず、また知る余地もなかった時には慰謝料の請求はできません。

例えば、夫が自分は独身だといつわり、結婚指輪を外すなど既婚者であることを悟られないような工夫をしていたとすれば、その嘘を見抜ける状況にはなかったと判断されます。また、夫と出会い系サイトやSNSなどで知り合い、本当の素性や私生活のことも知らないまま肉体関係を持った場合も、浮気相手に責任を問うことはできません。

自分の意思で浮気したのではなかった

相手が自分の意思で浮気したのではなかったのだとしたら、慰謝料を請求できない可能性があります。例えば、夫と浮気相手の関係が、上司と部下の立場だったり、会社の得意先の上役とその担当係だったりと、上下関係があったとします。その際、夫が自分の優位な立場を利用して無理やり肉体関係を持った場合は、相手に慰謝料を請求することはできません。さらに極端な例として、夫が相手をレイプしたり、相手の弱みを握って脅したりするなどして肉体関係を強要したのであれば、慰謝料請求どころか逆に加害者として強姦罪に問われます。

夫婦関係がすでに破たんしていた

先にお伝えしたように、夫が浮気を始める前から夫婦関係が破たん状態にあった場合も、慰謝料請求が認められないことがあります。夫婦がすでに別居していたり、別れ話が進んでいたりするような場合です。そのような状況では、夫婦双方の意思で「平穏な夫婦生活を送る権利」を放棄しているのと同じことですので、夫が浮気をしたとしても、それによってその権利が侵害されたことにはなりません。

また、浮気が始まる前から妻が夫との性交渉を拒否し続け、長年セックスレスの状態だった場合も、夫婦関係が破たんしていたと見なされ、慰謝料請求ができないケースがあります。

夫から慰謝料を受け取り済み

浮気に関する慰謝料については、夫と浮気相手の両方に支払い義務が生じます。浮気という不貞行為を働いたことに対して、当事者両方に責任があるため、請求された慰謝料を連帯して支払うことになっているのです。通常はその慰謝料を夫と浮気相手が半分ずつ負担しますが、どちらか一方が全額を負担しても構いません。ですので、例えば、夫婦で話し合った結果、慰謝料が100万円と決まり、夫が100万円全額を妻に支払っていた時は、浮気相手から改めて慰謝料を取ろうとしても、請求する権利はなくなります。

時効が成立している

慰謝料の請求にも「時効」があります。法的には、浮気による慰謝料請求は「不法行為に基づく損害賠償請求」と位置付けられており、他の損害賠償と同様に、一定期間のうちに請求しないと権利が消滅してしまうのです。時効までの期間は、夫が浮気した事実と浮気相手が誰かを知った時から3年です。

また、夫の浮気を知った時が、浮気が終わってから20年経過したあとだった場合も、時効が成立しています。従って、これらの期間内に請求を行わないと、慰謝料を取ることができません。そうならないためには、浮気の事実を早くつかみ、慰謝料請求の準備を進めることが必要です。

証拠がない

ここまで浮気の慰謝料が請求できる条件・できない条件を解説してきましたが、注意しなければならないのは、その前提として「浮気の事実を裏づける証拠」が必要であるということです。夫が浮気をしていることがどれほど明白だと思っていても、それを立証できる証拠がなければ、慰謝料を取ることができない場合があります。夫や浮気相手との慰謝料交渉がまとまらず、裁判に持ち込まれた時、法的に有効な証拠が揃っていないと慰謝料の請求が認められない、もしくは支払われる慰謝料が減額される可能性があるのです。

また、浮気を立証する責任は、慰謝料請求を行う側にありますので、事前に浮気の確実な証拠を手に入れ、浮気相手が誰なのかも特定しておかなければなりません。浮気を立証する有力な証拠としては、夫と浮気相手がラブホテルなどに出入りしている場面を撮影した写真や動画が挙げられます。しかし、慰謝料請求をするには、繰り返し肉体関係を持っていたことを証明しなければならないため、2人の密会シーンを何度も撮影しなければならず、時間と労力がかかり、時には危険な状況に遭遇するリスクもあるでしょう。慰謝料請求を考えるのであれば、探偵社や興信所など、調査のプロを使って証拠集めをすることをおすすめします。

まとめ

浮気・不倫の定義は、人によってまちまちですが、法的には浮気相手との間に肉体関係があったかどうかがボーダーラインとなり、肉体関係があれば慰謝料の請求が可能になります。夫が浮気に走る原因には、さまざまな心理的要因が絡んでいる場合があり、簡単に問題解決を図れないケースも少なくありません。そんな時、浮気を止めさせる一つの手段として慰謝料請求があります。慰謝料を請求するという行動を起こすことによって、浮気相手に衝撃を与え、夫に反省を促すきっかけにもなるはずです。

慰謝料を請求にあたってはいくつかの条件があり、また請求する側が浮気の事実を裏づける確かな証拠を提出しなければなりません。夫の浮気に気づいていながらそのまま放置しておくと、時効が成立してしまうかもしれませんので、探偵社などを利用して早期に証拠を手に入れ、慰謝料請求の準備をしましょう。もしも今パートナーの浮気に悩んでいるなら、探偵社に相談してみてはいかがでしょう。無料で相談を受け付けている機関もありますので、ぜひ当サイトのサービスをご利用いただき、相談をしてみてください。