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どこからが不倫? 慰謝料請求できる境界線はここ!

不倫相手から慰謝料を受け取る妻

信頼していたパートナーが、自分を裏切って不倫していることを知ったら、誰しも大きなショックを受けるはずです。そして、その裏切りを許せず、離婚を考えたり、不倫相手から慰謝料取って制裁を加えようと思う人もいるでしょう。しかし、実際にそれを行うには、パートナーがした不倫の内容が、法的に見て許されないものであることが条件になります。

そもそも「不倫」とは、どんな行為のことを指し、法律的にはどこからがNGとされているのでしょう? 不倫についての世間の解釈と法的解釈の違いを解説するとともに、パートナーの不倫に気づいた時にやるべきことなどをご紹介します。

世間が考える不倫のボーダーライン

不倫のボーダーラインについて考える男女

「不倫」「浮気」という言葉はよく耳にしますが、その定義はあいまいで、どこからが不倫・浮気になるのかというボーダーラインは、人それぞれに違います。また、「不倫と浮気はどう違うのか?」と聞かれても、すぐには答えられない人もいるはずです。

世間の人々が考える不倫のボーダーラインや、不倫と浮気の定義について見ていきます。

パートナーに内緒で食事に行く

たとえ既婚者でも、仕事や友人としての付き合いで異性と2人で飲みに行くのはよくある話。実際、「2人きりの食事ぐらいならOK」という世間の声は耳にします。しかし、異性と2人きりで会うことを、パートナーに内緒にするのは問題です。

確かに、パートナーが嫉妬深い場合、「異性と2人で会う」と言うと話がこじれるので、秘密にしたという人もいるかも知れません。ただ、それが人伝えでパートナーに知られてしまった時は最悪です。「何かやましいことがあるから秘密にしたのだ」と、浮気を疑われても仕方ありません。説明するのが面倒でも、きちんと話をした方がいいでしょう。

ハグしたり手をつなぐ

異性とのスキンシップをどう解釈するかは、人によって意見が分かれるところです。欧米などでは、ハグしたり、腰に手を回したり、手をつないだりするのを挨拶の1種と考えることも多いようです。しかし、日本では、パートナーが、自分以外の異性とスキンシップすることに抵抗を感じる人は少なくありません。スキンシップは、恋人や夫婦など、親密な関係の2人が行うものと考えるからです。

そのため、異性と手をつないだりすると、「相手と深い関係にあるのだ」と、不倫を疑われることにもなりかねません。特に、恋人同士がするように、指を絡めた手のつなぎ方をしていると、その疑いは濃くなります。

キスをする

キスについても、欧米では友だち同士で挨拶代わりにする文化がありますが、日本人にとってはキスは特別なもので、愛情を感じている相手としかしないもの、と考えるのが普通です。そのため、キスしている2人=不倫関係と見られるのも、当然のことでしょう。

たとえ、酔った勢いでキスしたり、相手から無理やりキスされたのだとしても、それを拒まなかった時点で、気持ちが通じ合っている可能性があります。実際、浮気・不倫に関するアンケートなどを見ても、男女ともに「自分以外の異性とキスしたら不倫と同罪」と、多くの人が回答しています。

お泊り

体の関係を持つことは、完全に一線を超えており、誰もが不倫と認めるところでしょう。「泥酔して理性がなくなって」とか、「出来心でベッドインしたけど、相手に気持ちはない」などといくら言い訳しても、通用するものではありません。

また、体の関係があったかどうかはわからないものの、異性の部屋に2人で泊ったというのも、ほとんどの人にとってはアウトでしょう。「何もせずにしゃべっていただけ」という言い訳もよく聞きますが、その場にいない限り、何が起こったかわかるはずがありません。何より、パートナーが自分以外の異性と一夜を過ごしたという事実自体が、夫婦のモラルに反することなのです。

不倫と浮気の違いは?

「浮気」「不倫」の定義は人によってまちまちですが、一般的なイメージとしては、浮気は不倫より幅広い意味でとらえられているようです。ちなみに、辞書で「浮気」を調べると、「妻や夫など決まった人がいながら他の異性と情を通じること」などと記されているほか、「異性から異性へと心を移すこと」とも書かれています。つまり、既婚者がパートナー以外の異性と関係を持つことだけでなく、いろいろな異性に目移りすることも「浮気」に入るわけです。

一方、「不倫」は、辞書では「徳にはずれること。特に、配偶者以外と肉体関係をもつこと」と説明されています。そこから考えると、不倫とは、既婚者が配偶者を裏切って他の異性を好きになり、肉体関係を結ぶこと。つまり、「既婚者による体の関係を伴う浮気」ということになります。

法律から見た不倫

ホテルで不貞行為を行う男女

それでは法律的には、不倫はどのように定義されるのでしょうか? 実は、不倫という言葉は、法律用語にはなく、代わりに「不貞行為」という言葉が使われます。そして、パートナーが不貞行為を行ったことが明らかであれば、裁判で慰謝料の請求や離婚の請求をすることができます。

しかし、世間が考える不倫と法律上の不貞行為には大きな違いがあり、パートナーにその責任を問えるかどうかについてもさまざまな基準があります。不貞行為の定義と、慰謝料などを請求するための条件などを解説します。

ボーダーラインは不貞行為があったかどうか

「不貞行為」とは、配偶者のある者が、配偶者以外の異性と自由意思で肉体関係を持つことです。民法では、「夫婦は互いに貞操を守る義務を負う」とされており、不貞を働けば、この貞操義務に違反する不法行為を行ったことになるのです。

ただし、不貞行為には、恋愛感情は関係ありません。恋愛感情があってもなくても、配偶者以外の異性と肉体関係を結べば不貞行為になるという点が、不倫とは大きく異なります。

法律で認められている離婚の理由(法定離婚事由)には、5種類のものがありますが、配偶者に対する不法行為である不貞行為もその1つです。そのため、パートナーの不貞行為によって夫婦関係が破たんした場合、それを理由に離婚を請求することができます。同時に、パートナーや不倫相手に対して、慰謝料を請求することもできます。

1回限りの不貞行為は?

酔った勢いなど、出来心で一度だけ配偶者以外の異性と肉体関係を持ったとしても、不貞行為は不貞行為です。しかし、裁判で不貞行為を離婚理由として認めてもらうには、ある程度継続的に不貞行為を行っている事実が必要になります。パートナーが過去に1度だけ不貞を働いたが、その後夫婦関係が続いているというような場合は、離婚請求をしても、まず認められないでしょう。

ただし、この1度だけの不貞行為によって、夫婦関係が破たんしたと判断されるケースでは、離婚が認められる可能性もあります。

慰謝料に関しては、1度だけの不貞行為であっても、請求できる場合があります。しかし、慰謝料は、被害者側の精神的苦痛に対して支払われる賠償金ですので、不貞行為が複数回行われた時に比べて精神的苦痛は小さいと見なされ、請求できる金額は少なくなるでしょう。なお、キスや密会など、肉体関係が伴わない場合でも、不貞類似行為として慰謝料が支払われたケースもあります。

別居中の不貞行為は?

パートナーが不倫したのが事実であったとしても、それがすでに夫婦が別居していたり、家庭内別居をしていた時に起きたことであれば、離婚や慰謝料を請求できない可能性があります。不貞行為が離婚理由として認められるのは、不貞行為が行われたことによって夫婦仲が悪くなり、婚姻関係が破たんした場合です。

つまり、パートナーが不倫したことが直接の原因ではなく、それ以前に別の原因で夫婦生活が続けられなくなっていたのであれば、不倫は離婚理由にはならないということです。そのため、別居中にパートナーが不倫した場合は、離婚や慰謝料請求が難しくなります。

ただし、別居が長期化して、すでに結婚生活が破たんしていると言える状態になっているのであれば、もう夫婦関係を修復する見込みがないものとして、離婚が認められるケースも増えています。

婚約中や内縁関係の場合は?

不貞行為は、「配偶者のある者が配偶者以外の異性と肉体関係を持つこと」ですが、婚約中や内縁関係のパートナーが不倫した場合はどうなるのでしょう?

まず婚約ですが、周りの人にも認知されている形で婚約が成立すると、既婚者同様、当事者双方が守らなければならない貞操義務が生まれます。そのため、婚約中にパートナーが不倫し、それが原因で結婚できなくなれば、パートナーや不倫相手に慰謝料を請求することができます。

一方、夫婦のように暮らしているのに婚姻届を出さない「事実婚」「内縁関係」も増えていますが、そのような関係は、法律上、「夫婦に準ずる関係」と見なされます。ですので、この場合もパートナーが不倫すれば、慰謝料請求が可能です。ただし、事実婚や内縁関係と単なる同棲との線引きが難しいことなどから、実際に請求できる金額は、既婚者に比べて少なくなりがちです。

風俗店の利用は?

最初にお伝えしたように、不貞行為のボーダーラインは「肉体関係があったかどうか」であり、恋愛感情の有無は関係ありません。そのため、風俗店でパートナーが性的サービスを受けた場合も、不貞行為があったと見なされるケースがあります。

しかし、パートナーが既婚者かどうか知らない風俗嬢に対して、性的サービスを行ったことを理由に慰謝料を請求することはできませんし、パートナーが風俗店を1度利用しただけで、不貞行為を理由に離婚請求をすることもできません。ただし、パートナーが風俗に通いつめ、何度話し合っても行動を改めない場合は、夫婦関係を続けることができない重大な原因として、離婚が認められる可能性もあります。

同性との不貞行為は?

トランスジェンダーなど、性的指向や性自認をカミングアウトする人も増えていますが、パートナーが同性と肉体関係を持った場合はどうなるのでしょう? 結論を言えば、「配偶者以外の異性と肉体関係を持つこと」が不貞行為の要件であるため、原則的には同性との不倫は不貞行為には当たりません。

従って、離婚や慰謝料の請求もできないことになるのですが、最近は裁判所でも性的多様性についての認識が広がり、同性との不倫を不貞行為と認定し、慰謝料の支払いを命じるケースも出てきています。また、同性との不倫が不貞行為として認められなかったとしても、それによって夫婦関係が破たんしたことを証明できれば、離婚や慰謝料を請求できる可能性があります。

不倫を疑ったらやるべきこととNG行為

不貞行為の調査報告書

パートナーの不倫に気づいたら、どうしますか? すぐにパートナーを問い詰めて、責任を取らせようとする人もいるでしょう。しかし、その時パートナーが素直に不倫を認めるとは限りませんし、感情に任せて動くと後々自分が不利な立場に立たされる可能性もあります。さらに、強引に不倫関係を解消させようとしたり、不倫相手に仕返しをしたりすれば、大きなトラブルに発展することにもなりかねません。

不倫の疑いを抱いた時に、まずやるべきことと、やってはいけないNG行為について解説します。

証拠集めをする

パートナーや不倫相手に対して、裁判で離婚請求や慰謝料請求を行う場合は、パートナーが不倫したことを裏付ける証拠を自分で集めなければなりません。日本の裁判では、権利を主張する側に立証責任があります。「不倫をした側が潔白を証明するべきだ」と思う人もいるかも知れませんが、このルールがあるため、慰謝料などを請求するには、請求する側が不倫の事実を証明しなければならないのです。

また、不倫を裏づける証拠は、離婚や慰謝料請求のためだけでなく、パートナーとの関係修復にも役立ちます。パートナーの不倫に気づいた時、証拠もなしに相手を問い詰めても、シラを切ることが多いでしょう。そして、そのままうやむやになれば、わだかまりが残ったまま、夫婦仲が冷え切ってしまうかも知れません。

しかし、不倫の確実な証拠があれば、パートナーも言い逃れができず、真剣に話し合うしかなくなります。不倫問題をきちんと解決し、夫婦関係を修復するためにも、まず証拠集めをすることが大事なのです。

冷静に話し合う

証拠を手に入れ、不倫が事実であることが確定しても、パートナーを責め立てるだけでは意味がありません。パートナーがなぜ不倫をしたのか、そして今後の夫婦関係をどうするのかを、冷静に話し合うことが重要です。

不倫は許されない行為であるとはいえ、パートナーが不倫をした原因の一端が、それまでの夫婦関係や家庭環境にあった可能性も否定できません。例えば、パートナーが家で邪魔者扱いされて孤独を感じていたり、夫婦の営みを求めても拒否され続けてストレスを溜め込んでいたりする場合、寂しさを埋めるために不倫に走るケースもあります。夫婦できちんと話し合って、お互いの気持ちを理解し、今後のことを考えましょう。

離婚請求

夫婦が離婚する場合、一般的には夫婦で話し合って離婚に合意する「協議離婚」の形が取られます。この方法は、夫婦と証人2人が署名押印した離婚届を出すだけでよく、時間も費用もかかりません。しかし、パートナーが離婚を拒否したり、離婚条件について合意できない時は、離婚調停を家庭裁判所に申し立てることになります。

これは、家庭裁判所の調停委員を仲介役として、慰謝料や親権、養育費、財産分与などの条件を含め、話し合いで離婚成立を目指ものです。離婚調停では、調停委員が夫婦双方の意見を聞いて、話がまとまるように仲介してくれますが、それでも合意に至らない場合は、最後の手段として離婚裁判に進みます。

離婚裁判では、裁判官が双方の言い分を聞いた上で、離婚の可否や離婚条件について判断しますが、不貞行為は法律上の離婚理由になるため、パートナーの不倫を明らかにする証拠を提出すれば、離婚が認められやすくなります。そして、判決が下れば、パートナーが離婚を拒否することはできなくなります。

慰謝料の請求

不倫の慰謝料は、不倫をされた側が受けた精神的苦痛に対して支払われる損害賠償です。そのため、基本的には、精神的苦痛を与えたすべての者が、慰謝料を支払う責任を負います。つまり、パートナーが不倫した場合、パートナーに対しても不倫相手に対しても慰謝料を請求できる権利があるのです。

従って、パートナーと離婚すると決めた時は、離婚の条件に慰謝料の支払いも含め、協議を行います。一方、パートナーと離婚せず、結婚生活を続ける時は、夫婦は同じ財布で暮らすことになりますので、パートナーから慰謝料を取ってもあまり意味がありません。

その際、自分が受けた精神的苦痛を不倫相手に償わせたいのであれば、不倫相手に対して慰謝料を請求することになります。慰謝料請求は、不倫相手への制裁になるだけでなく、「訴訟を起こされる」というプレッシャーを相手に与えることが、不倫関係を解消させるのにも役立ちます。

慰謝料の相場は、数十万円~300万円と言われています。金額に幅があるのは、精神的苦痛が大きいほど、請求可能額が上がっていくからで、パートナーとの結婚期間やパートナーの不倫期間が長く、さらに不倫が原因で離婚に至った場合は、高額な慰謝料を請求することも可能です。

慰謝料請求の流れは、離婚請求と同じく、まず当事者同士で協議を行い、合意に至らなかった時に裁判で不倫の事実を立証して決着をつけるのが一般的です。なお、不倫の慰謝料請求は、不倫を知った時から3年経つと時効になり、請求できなくなってしまうため、パートナーの不倫に気づいたら、早めに動かなければなりません。

違法な証拠集めをしない

不倫に気づいたら、まず証拠を集めることが重要と、先ほどお伝えしましたが、その際、絶対にやってはいけないのが、違法な手段で証拠を集めることです。違法な手段で集めた証拠は、裁判になった際に提出しても、証拠と見なされない可能性があるばかりか、罪に問われる場合もあるからです。

例えば、盗撮や盗聴をすること自体は違法ではありませんが、不倫相手の敷地に勝手に侵入してカメラや盗聴器を設置するのは違法行為で、建造物侵入罪や名誉棄損に問われるリスクがあります。また、スマホに届いたメールなどを覗き見するのは合法ですが、パートナーのIDとパスワードを使って、パートナーのSNSなどにログインすると不正アクセス禁止法に抵触します。

GPSも夫婦共有の車に設置するのは違法ではありませんが、本人の承諾なくカバンや服に取り付けて行動を監視すると、プライバシーの侵害と見なされますし、パートナーのスマホに勝手に居場所チェックアプリなどをインストールすると不正アクセス禁止法違反になります。浮気調査に精通したプロでもない限り、合法・違法の見極めは難しいので、強引なやり方で証拠を集めることは控えましょう。

不倫相手への嫌がらせをしない

平和な家庭を壊した不倫相手を許すことができず、罰を与えたいと思う人もいるでしょう。しかし、どれほど相手が憎かったとしても、嫌がらせなどをしてはいけません。例えば、不倫していたことを相手の親や職場に知らせたりすると、名誉棄損罪に問われる場合があり、そうなると3年以下の懲役または50万円以下の罰金を科せられてしまいます。SNSなどでの不倫の暴露も同様に、名誉毀損に問われるほか、侮辱罪を適用される恐れもあります。

不倫相手を脅したり、危害を加えたりするのも、もちろんNGです。「会社を辞めろ」「慰謝料を払わないと痛い目にあわせる」などと相手を脅すと、脅迫罪で訴えられ、2年以下の懲役または30万円以下の罰金を科せられる可能性があります。

さらに、相手に暴力を振るえば暴行罪(2年以下の懲役または30万円以下の罰金)、それによって相手に怪我をさせれば傷害罪(15年以下の懲役または50万円以下の罰金)と、罪がどんどん重くなっていきます。相手に水をかけただけでも暴行罪になる場合がありますので、絶対に手出しをしてはいけません。

法律的に有効な証拠とは

専門家に相談する女性

慰謝料請求や離婚請求をするためには、裁判になった時に不倫の事実を立証できるような証拠を合法的に手に入れる必要があることが、おわかりいただけたと思います。しかし、不倫の証拠と言っても、さまざまなものがあり、証拠入手の難易度も異なります。

裁判でも認められる法的に有効な証拠とはどのようなものか? そして、それを手に入れるにはどうすればよいかをご紹介しましょう。

決定的な写真や動画

証拠として高い効力を持つのが、パートナーと不倫相手の肉体関係を表す写真です。しかし、実際に2人の性行為のシーンを撮影することは難しいため、ラブホテルに2人で出入りしているシーンを撮った写真が、不倫の証拠としてよく使われます。

ラブホテルは、そもそも性行為を行うための場所であり、そこで男女が長時間過ごしたということは、肉体関係があったことを強く示唆します。ただし、「相手の体調が悪くなったから休ませた」とパートナーが言い逃れしようとすることもありますし、1回限りの不貞行為では離婚理由と認められない可能性があるため、ラブホテルを利用している場面を複数回、写真に収めなければなりません。

写真よりさらに強力なのが動画です。写真は瞬間的なシーンをとらえることはできますが、ラブホテルを利用した際の前後関係がはっきりしない場合もあります。その点、動画なら、ラブホテルに2人で入っていく動きを途切れることなく撮影できるのに加え、撮影時間も記録されるため、ホテルに滞在した時間も明らかになります。

音声データ

パートナーの不倫の事実を明確に表す音声データも、証拠として採用される可能性があります。例えば、パートナーが不倫の自白をした音声や、パートナーと不倫相手との会話をボイスレコーダーなどに録音したものです。パートナーが自白した場合、協議や裁判でもそれを認めるのなら問題ありませんが、あとから撤回することも多いので、自白を録音しておかなければなりません。

一方、不倫相手との会話では、「愛してる」といったやり取りを録るだけでは、不貞行為があったことを証明できないため、有力な証拠にはなりません。相手と行った性行為の具体的な内容にまで触れているような会話が、レコーダーに録音されているかどうかがカギになります。

また、このような音声データは、合法的に録音されたものでなければなりません。たとえ夫婦であっても、電話を盗聴して録音するのは犯罪行為になりますし、パートナーを脅すなどして自白させた場合も、証拠として認められなくなるので注意が必要です。

メールの履歴

パートナーと不倫相手のLINEやメールのやり取りも、証拠として使える可能性があります。しかし、これも音声データと同様、2人が親密であることがわかるような内容だけでは、不貞行為があったことまで証明できません。「この前、一緒に行った〇〇ホテル、また泊まりたいね」など、2人に肉体関係があることを示すような内容が書かれているとともに、そのホテルに泊まったという証拠が必要になるでしょう。

なお、加工が可能なデジタルデータは、改ざんされている恐れがあるため、証拠として認められないケースもあります。加工可能なデジタルデータとは、スマホやデジカメで撮影した写真・動画、ICレコーダーの録音データなどです。

LINEやメールでのやり取りも、それをコピー&ペーストで保存したようなものは、加工することができるので、証拠としての価値は低くなります。LINEなどを証拠にしたいのなら、不倫相手とのやり取りが表示されている画面を、アナログカメラでスマホの本体ごと撮影しましょう。

調査報告書

証拠として高い効力を持つ不倫相手との密会写真・動画などがあれば、裁判を有利に進めることができますが、それを自分1人で撮影するのは、非常に大変な作業です。まず、パートナーと不倫相手の密会現場を押さえるために、2人に気づかれないように長時間にわたって尾行や張り込みを行わなければならず、その間、トイレにも行けません。

また、ラブホテルを利用するのは夜間が多いので、暗い中で撮影することになりますが、2人の顔がはっきりとわかるアングル・鮮明度の写真を撮るには、高度な技術が求められます。しかも、1回だけのホテル利用では、離婚請求や慰謝料請求をするための証拠としては弱いため、この作業を複数回繰り返さなければならないのです。

その点、探偵社などの浮気調査のプロ集団であれば、1チーム2人以上の体制でターゲットの尾行・張り込みを行うため、相手に気づかれることも決定的瞬間を逃すこともありません。また、調査員は、高性能の機材と高度な撮影技術を駆使して、夜間でも鮮明な画像を撮ることができます。

探偵社では、調査が完了すると、その結果を「調査報告書」にまとめますが、そこにはターゲットの行動が詳しく記されるのに加え、決定的瞬間を収めた写真・動画も添付されるので、非常に有力な証拠になります。

その他の証拠

不倫の証拠となるものは、他にもいろいろあります。ホテルでの休憩・宿泊や、ホテル近くのレストランでの飲食に使ったクレジットカードの利用明細もその1つ。明細書には、カードを利用した日時や支払先の会社名などが記されており、ネットで会社名を検索すると、ラブホテルを経営していることなどがわかるはずです。

また、不倫相手と会う日などが書かれたスケジュール手帳や不倫相手と会ったことがわかる日記、車を利用している場合はドライブレコーダーに残された不倫相手との会話なども役に立ちます。これらの証拠は、単独では効力が低いものの、密会シーンの写真・動画と組み合わせることで大きな力を発揮してくれるでしょう。

まとめ

不倫の定義は、人によってまちまちですが、法律上、慰謝料請求や離婚請求の対象となるのは、配偶者以外の異性と肉体関係を持つ「不貞行為」があった場合だけです。また、不貞行為をしても、その回数や、配偶者に与えた精神的ダメージの大小によって、慰謝料請求が認められなかったり、減額されたりするケースもあります。

さらに、裁判になった時、パートナーの不貞行為による離婚や慰謝料請求を認めてもらうためには、訴えを起こした側が、不貞行為が行われたことを裏付ける証拠を集め、立証しなければなりません。一般の人には、ハードルの高い作業ですので、浮気調査のプロを利用して確実な証拠を手に入れ、勝利をつかみましょう。探偵社選びの際にはぜひ当サイトをご活用ください。