あなたは許す？許さない？―夫の浮気へ対処法

男性の考える浮気

パートナーに対して心の繋がりを求める性質を持つ女性と反して、男性は体のつながりを求める傾向にあります。そのせいか、男性にとって浮気とは、「肉体関係をもつこと」と認識されることが多いようです。つまり、男性にとっての「妻の浮気」とは、他の異性と肉体関係があるかどうかで判断されるわけです。また、男性は女性と比べて相手の機微を読むのが苦手な人も多いです。

その結果、パートナーが他の異性と肉体関係を持つまで浮気に気づかないケースがほとんどです。そうした事由が「肉体関係」を浮気の境界線とする要因でもあるようです。もしも女性なら、夫が他の異性と親しげにLINEをしているだけでも異変に気づきますよね。この辺に、男女の考える浮気の定義の違いがあるのかもしれませんね。

法的な浮気の定義

さて、男女で大きく違いのある浮気の境界線ですが、法的な定義はどうでしょう？　実は民法上では「浮気」という言葉はありません。その代わりに、「不貞行為」という言葉があり、その意味合いは配偶者以外の異性と肉体関係を持つことです。法律上では、婚姻関係にある男女は平和な関係を築くために、互いに夫婦としての義務を果たすことが定められています。もしも他の異性と肉体関係を持てば、この約束が破られることになるため「不貞行為」はルール違反だと判断されます。

つまり世間で言われる浮気に該当するわけです。ただし、あくまでも肉体関係があるかどうかが境界線であるため、キスやハグ程度では不貞行為には当たらないと判断されてしまいます。したがって、夫の浮気を法的に認めてもらうには、肉体関係があるという証拠が必要になってくるのです。その証拠を確保するのはかなりハードルが高いといえるでしょう。

なお、恋人同士など婚姻関係にないカップルについては不貞行為は成立しません。ただし、婚約している、内縁関係にあるなど、婚姻に近い関係の場合は不貞行為が当てはまる場合があります。

慌てて夫を責めるのは禁物

パートナーの浮気が発覚した時、やってしまいがちなミスは証拠もないのに相手を問い詰めることです。浮気の被害にあった当事者ならば、事実の解明を焦る気持ちはあるでしょう。しかし、確たる証拠がなければ、浮気という事実を認めさせることはできません。すると、かえって事実があやふやになる恐れがあります。また、素直に事実を認めないパートナーに対して感情的になってしまうと、相手に言い逃れの機会を与えてしまいます。

そのような事態を避けるためには、事実と認めざるを得ない「浮気の証拠」を見つけることが肝心です。パートナーを説き伏せ、事実を認めさせるためには急がば回れの精神が欠かせません。

心の落ち着きを取り戻す方法とは？

信じていたパートナーが浮気をしていると解ったら、動揺しない人はいないでしょう。しかし、事実を解明するためには冷静にならなければいけません。しかも人生を左右するかもしれない一大事とあればなおさらです。とは言え、衝撃的な出来事を目の当たりにして平常心を保てるほど人は強くありません。そんなとき、どうすれば平常心を取り戻せるのでしょうか？　

おすすめなのは、信頼できる友人や親族に相談することです。親身になって話を聞いてくれる相手であれば、打ち明けることで心が落ち着きます。また、相手に話している間に気持ちの整理もできるでしょう。ただし、パートナーの浮気を義理の親に相談するのは避けた方が良さそうです。息子を説得としようと浮気を問い詰めてしまう可能性や、相談者である嫁を悪者にする恐れもあります。相談する相手は慎重に選びましょう。

事実を確認するためにできること

夫に事実を認めさせるには、事前に浮気と結びつく情報を集めておく必要があります。最も効果的なのは、浮気相手との肉体関係があると判断できる情報です。しかし、これを入手するのは難しいので、手軽に探れるものから集めてみましょう。たとえば、夫が浮気相手と交わしたメールや、密会に使われたレストランなどの領収書は浮気を連想させます。さらに、メールの内容が親しげであればあるほど、浮気と判断するのに適しています。もしもそのような情報を見つけたら、スマホごと写真に収めて保存しておきましょう。領収書も同様にして確保します。

このような情報が見つからないときは、夫の行動を記録しておくのもおすすめです。帰宅時間や帰宅後の様子を記しておけば、浮気相手と密会した日程が割り出せるかもしれません。ただし、浮気を探るのは水面下で密かにおこないましょう。相手に悟られてしまえば、苦労が水の泡となってしまうので注意してくださいね。

既婚者の浮気、相手の女性にも罪はある？

夫の浮気はもちろん許せませんが、怒りの矛先は当然ながら浮気相手の女性にも及びます。そこで、既婚者を恋愛対象にした相手の女性にも、罪はあるのか確認してみましょう。簡潔に言うと、相手が既婚者と知りながら不貞行為に及んだ場合は慰謝料請求の対象になります。しかし、知らずに交際していた場合は、相手の女性に非はありません。また、肉体関係があったと証明できなければ、法的に追求することも難しいでしょう。さらに、長年に渡って夫婦関係が破綻している場合は、たとえ不貞行為を証明できても慰謝料請求の対象にはならない可能性が高いです。

夫に問いただすのは、判断材料が揃ってから

ここまでで、夫に浮気の事実を確認するなら焦らずに情報を探ることが大切だとご理解いただけましたか？　浮気だと思っても、単なる勘違いである可能性もあります。夫の行動が浮気に該当するのかどうか、しっかりと判断するための材料を集めましょう。ロジカルに相手を問い詰めるには、明確な根拠が欠かせないのです。

夫が悪いのは事実だが自分にも非があった

夫の浮気が悪いのは事実ですが、考えようによっては致し方ない場合もあります。たとえば、夫婦間のセックスレスが原因で単純に性欲を満たしたかったという男性も多くいます。また、妻の日頃の態度が冷たく家庭内に居場所を持てなかった男性も浮気に走りがちです。そもそも、互いに相手の意見を尊重できなければ、良好な夫婦関係は築けません。したがって、夫の浮気を許すには、自分にも非がなかったか考えてみるのも良いでしょう。夫の気持ちが他の異性に向かってしまった要因に、思い当たるふしはありませんか？

夫を思う気持ちがあるかどうか

浮気を許すか判断するには、許しを乞う夫に対して愛情があるかどうかも大きなポイントです。夫に対して、全く気持ちがないと言う場合は、浮気の発覚をキッカケに夫婦関係が破綻する可能性が高いです。そのため、許したとしてもその後の婚姻生活が改善する見込みもありません。一方で、浮気が発覚しても夫への愛情は変わらないという場合には、十分に許す価値があるでしょう。一度は壊れてしまった夫への信頼も、その愛情で再び取り戻せる見込みが高いです。

夫婦の間に子供がいるかどうか

夫の浮気を許すかどうか、最も大きな判断基準となるのが夫婦の間に子供がいるかどうかではないでしょうか？　許さない場合は、離婚という選択肢が考えられます。子供にとって、両親の離婚は人生に大きな影響を及ぼします。また、その場合、親権はどちらが持つのかなどと言った問題も発生します。そのため、たとえ夫を許せなくても、家族でいることを優先して離婚を躊躇う人も多いでしょう。ただし、失った信頼を取り戻せないと判断した場合は、離婚を決意するケースもみられるようです。

夫からの愛情を感じるかどうか

たとえ浮気を許したとしても、肝心の夫が浮気相手に心を奪われていたままでは夫婦関係の修復は難しいです。やはり、夫を許すためには、互いの愛情が残っていることが前提となるでしょう。夫との話し合いで、夫婦としての愛情を感じるかどうか、しっかりと見極めることも判断基準の一つです。浮気相手との関係性をスパッと断ち切れないようなら許す価値もないでしょう。

夫の性質を見抜く

既婚男性のなかには、浮気が発覚しても懲りずに他の異性と不貞行為を繰り返す人がいます。このタイプの男性は、何事も自分本位で幼稚な思考の持ち主が多いです。自分の行いが家族を傷つけると解っていても、理性に欠けるため浮気をやめることができないのでしょう。もしもパートナーにそのような性質があれば、浮気を許しても再び他の異性と不貞行為に及ぶ可能性があります。したがって、パートナーが理性的な考え方の持ち主であるかどうかも浮気を許すポイントの一つです。

メリット：家族の絆が深まる

夫婦の関係性を修復する方向で考えた場合、夫の浮気を許す最大のメリットは家族の絆がより深まることでしょう。夫婦にとって浮気問題は、家庭崩壊の危機とも言える一大事です。家庭を守るためには、問題を乗り越えなくてはなりません。しかし、どちらか一方だけが努力をしても問題は解決せず、互いの協力が欠かせません。つまり、夫の浮気を許して夫婦の関係性を改善することは、乗り越えるべき問題を解決することに繋がるのです。

メリット：夫より優位に立てる

浮気を許して夫婦関係を改善することは、夫に対して貸しを作ることにあたいします。一方で、夫はというと、罪悪感から妻に対して頭が上がらない状態になると考えられます。よって、夫よりも優位な立場になれると言えるでしょう。また、浮気を許してくれた妻に感謝して罪滅ぼしに務める男性も多いです。感謝の印にブランド物のバッグでも購入してくれるかもしれませんね。ただし、浮気を許したことを免罪符のように使うのは、限度があるので注意しましょう。

メリット：夫からの信頼がより強くなる

夫の浮気を許すことは、夫婦の信頼関係にも影響を及ぼします。まず、自分の浮気を許してくれた妻に対して、夫はこれまで以上の信頼を寄せるでしょう。また、その信頼はさらなる妻への感謝にもなり、夫婦愛が深まる可能性が高いです。なによりも、夫からの信頼が厚くなることで夫婦の絆も一層深まることが大きなメリットだと言えるでしょう。

メリット：変わらぬ環境で生活できる

現実的な問題としては、浮気を許し婚姻生活を続ければ、これまでと変わらぬ環境で生活できることが大きなメリットだと言えます。もしも浮気をキッカケに離婚を選択した場合は、生活環境が変わるどころか人生そのものが大きく変化するでしょう。とくに、夫婦の間に子供がいる場合は、安定した生活を送れることは精神的なゆとりに繋がります。したがって、浮気を許すことで得られるメリットの一つは安心感だとも言えるでしょう。

デメリット：相手を信用できなくなる

浮気を許すことで夫からの信頼は深まるものの、その一方で過ちをおかした相手を信用できなくなるケースもあります。夫に裏切られたショックから立ち直れず、些細なことで相手を疑ってしまうため、疑心暗鬼にとらわれてしまう可能性もあるのです。せっかく夫の謝罪を受け入れても、相手を信用できなければ夫婦関係の修復ははかれません。

デメリット：再犯の可能性

浮気をする既婚者のなかには、パートナーに対して高慢な考えを持つ人もいます。このタイプの男性は、妻の慈悲深さに感謝もせず、浮気を繰り返す可能性もあります。なぜなら、妻が浮気を許すのは、自分から離れることができないせいだと考えるからです。つまり、浮気を繰り返しても、どうせ妻はまた許してくれるだろうとタカをくくっているのです。そんな男性には、浮気を許したところで得られるメリットはないでしょう。

夫に事実を認めさせる

浮気を許すためには、夫に事実を認めさせることが重要です。都合の悪いことは伏せておこうとする相手を信用することはできません。したがって、夫の謝罪を受け入れるのなら、正直に全てを話してもらいましょう。夫への不信感が拭えないままでは、夫婦の関係性を修復するのは難しいです。まずは事実を把握したうえで、再び信頼関係を構築していけるよう協力し合うのが最善の方法です。

夫の良いところを書き出す

許したくても許せないと悩んでしまうときは、夫の長所を書き出してみるのも良いでしょう。たとえば、優しいところや真面目なところ、仕事熱心なところや子煩悩なところはありませんか？　許したいと思うほどの相手なのですから、探せば長所はいくつもあるはずです。浮気をしたという事実は消せませんが、相手の良い面に目を向けることで寛容な気持ちも芽生えるのではないでしょうか？

自分にも非がなかったか考える

浮気をした夫が悪いのはもちろんですが、既婚者の浮気は家庭内に不満があって生じてしまうケースもあります。その不満が相手に伝わらず、満たされない気持ちから浮気に走ってしまう人は多いです。したがって、浮気を許すためには、自分にも非がなかったか改めて考えてみるのも良いでしょう。気づかぬうちに夫を傷つけて浮気に追いやってしまった可能性はありませんか？　今一度、夫婦の関係について振り返ってみることは、今後の関係性修復にも役立つはずです。

許さない場合のデメリットを考える

夫を許す方法の一つとして、許さなかった場合のデメリットを考えるのも効果的です。もしも怒りのままに相手を見限ったとしたら、その後の展開はどうなるでしょうか？　一般的には、離婚という選択肢になるはずですが、その場合のデメリットを想定してみましょう。また、離婚しない場合、相手を許さずに夫婦の関係性は構築できるでしょうか？　許さなかった場合に起こりうる事態を具体的に想定してみると、相対的に許そうと思えるかもしれません。

この体験を教訓にできると考える

浮気をされたら誰でも、こんな経験は2度としたくないと感じるでしょう。しかし、浮気の被害者になるという体験を通して得られることもあるものです。とくに、浮気の要因が自分にもあった場合は、その問題点が浮き彫りになるので改善するきっかけとなるでしょう。また、浮気をした男性が発覚までに、どんな様子を見せるか学習することができるため浮気防止の対策がわかります。さらに、浮気した相手を許して受け入れる寛容さは、自身を大きく成長させるでしょう。このように、浮気を1つの教訓にできると捉えてみるのもおすすめです。

再犯防止に向けて誓約書をつくる

浮気から教訓を得ることのなかに、再犯防止に向けた誓約書を作ることも忘れてはなりません。つまり、パートナーが浮気を繰り返さないようペナルティを課すのです。誓約書の内容は、浮気をした事実を認める文章と、今後は絶対にしないと約束する文章を記載します。さらに、万が一、その約束を破った場合の条件を書き加えます。一般的には、慰謝料の支払いが多いですが、それ以外でも構いません。

浮気が夫婦にとって、重大な問題であるという認識を植え付けるためにも誓約書は必ず作りましょう。ただの口約束ではなく誓約書にすることで、浮気の抑止力に繋がるのです。もし相手が誓約書を交わしたくないと難色を示すようであれば、浮気を許さず、別れる方向を視野に入れてもいいでしょう。

ストレス発散をする

浮気問題に直面したら、必要以上のストレスを溜め込まないようにこまめな発散をしましょう。その方法はなんでも構いません。旅行や趣味に没頭したりペットと過ごしたりするのも良いでしょう。心に余裕がなければ、浮気した夫を許すという寛容な気持ちにはなれません。ストレスの元凶である夫を許すためには、大いに自分を甘やかすことも大切です。

夫婦の関係性を修復したい

夫婦関係の修復を試みても、思うようにいかない時は、「夫婦カウンセラー」を頼るのもおすすめです。夫婦カウンセラーは、夫婦の間で発生するあらゆる問題に対して第三者の視点からアドバイスをする専門家です。相談者の状況に応じてアドバイスをおこなうため、具体的な解決策が見つかることが期待できます。また、当事者同士の話し合いは感情的になって揉めることも多いですが、中立的な立場のカウンセラーを挟むことで冷静な話し合いが実現します。

臨床心理士の資格を持っているカウンセラーなら的確なアドバイスを受けることができます。迷った時は、夫婦カウンセリングで問題解決に向けたサポートを受けましょう。

浮気を認めさせるための証拠が欲しい

夫の浮気を明らかにするための証拠といえば、肉体関係を示す資料となるわけですが素人ではなかなか手に入らないケースが多いです。なにかとリスクの伴う浮気調査を素人がおこなうのは、危険なだけでなく精神的苦痛も大きいです。その割に成果が得られなければ、無駄に心身を疲弊させる結果となってしまいます。したがって、手っ取り早く確実に証拠を掴むのなら、調査の専門家である探偵事務所に相談するのが一番です。

探偵事務所は経験豊富な調査員が、あらゆる手段を駆使して浮気の調査をおこないます。尾行や張り込みで事実を探り、判明した結果を調査報告書にまとめていくのです。また、探偵事務所で調査した結果は、証拠能力が高いため法的にも有効な証拠となりえるのです。さらに、浮気調査の場合は証拠だけでなく浮気相手の素性を調べることもできます。より事実を明らかにしたいと望まれる場合は、探偵事務所に調査を依頼するのがおすすめです。浮気に関する確信はないが、夫への不信感が拭えないという人もまずは無料相談を受け付けている探偵事務所に問い合わせてみるのもいいでしょう。

浮気問題を法的に解決したい

探偵事務所で浮気の証拠を得ても、それだけで問題が解決するわけではありません。せっかく得た証拠を有効的に活用するには法的解決を選ぶのも選択肢のひとつです。浮気の被害者は、配偶者である当事者とその浮気相手に慰謝料を請求する権利があります。また、夫の浮気を許すと決めた場合でも、再発防止のために誓約書を作成した方が良いでしょう。これらの手続きは、自分でおこなうよりも法律の専門家である弁護士に依頼した方が確実な成果を得られます。

とくに、浮気相手への慰謝料請求は、弁護士を通して訴えることで、深刻さが増します。また、その金額も素人では適正な算定ができないので、専門家の意見を参考にしたほうが良いでしょう。誓約書の作成に関しても、専門家の意見をもとに作ることで明確な約定ができます。したがって、掴んだ証拠を最大限に活用するのなら弁護士事務所に相談するのが得策です。

精神的な苦痛を和らげたい

浮気問題の解決には、相手を許すか否かに関わらず精神的な苦痛が伴います。問題を解決するためには冷静な判断力が必要となりますが、動揺した心を落ち着かせるのは簡単ではありません。ときには、絶望感に苛まれて思考が停止してしまうこともあるでしょう。そのような問題が発生したときは、一人で抱え込まずに信頼できる人に相談してください。

親身になって話を聞いてくれる相手が身近に見つからない場合は、迷わずに心理カウンセラーを頼りましょう。心理カウンセラーは、専門的な知識をもとに、相談者の心の問題や悩みに向き合い、対話を通じてサポートをしてくれます。心理学の専門家なので、人には話しづらい内容でも、安心して相談することができるでしょう。