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別居中の浮気、慰謝料は請求できる?

別居中に浮気をされた妻

夫の浮気が発覚した時、既婚女性の誰もが慰謝料請求を考えると言われています。平穏な家庭生活を脅かされるのですから、妻としての当然の権利に違いありません。しかし、もしも別居中の夫に浮気をされていた場合、その権利はどうなるのでしょうか? 既婚女性のなかには、そのような疑問をお持ちの方もいると思います。夫の浮気は、必ずしも同居中に起きるとは限りません。たとえば、単身赴任中や、不仲で別居をしている夫婦もいるでしょう。そこで今回は、夫と別居中に起きる浮気問題について、慰謝料請求の可否や対処法を詳しく解説します。

なぜ別居中に浮気が起きるのか?

別居中に浮気をする夫

既婚男性の3割以上が浮気をすると言われる昨今ですが、別居中ともなるとその割合はさらに上がります。離れて暮らせば、浮気がバレる心配もありませんし、夫婦の間に物理的な距離ができることは、浮気に適した環境を作るのでしょう。そうだとしても、全ての既婚男性が、別居中に浮気をするわけではありません。ではどのような要因で、別居中の男性は浮気をするのでしょう? ここでは、その要因について解説します。

寂しいから

既婚女性の浮気をする理由が「夫の無関心」から来る寂しさであるように、既婚男性も寂しさから浮気をするケースは多々あります。とくに単身赴任などで家族と離れて生活している場合、夫婦仲が良好でも物理的な寂しさを埋めることができずに浮気に至ってしまうようです。妻への愛情が薄れたわけでも、他に気になる異性が現れたわけでもなく、単純に触れ合える相手を求めているにすぎません。とは言え、慣れない土地で1人寂しく暮らす既婚男性にとって、心に安堵をもたらす女性は貴重な存在と言えるでしょう。

妻のいない生活拠点という事を考えれば、2人の関係は急速に深まる可能性も否めません。その結果、セカンドパートナーとして関係が長引く恐れもあり、このタイプの浮気は危険です。また、このようなケースでは、男性側が一線を越えまいと頑張っても、相手の女性が強引に迫り男女の関係になってしまうこともあります。こうした事態を回避するには、手間を惜しまずマメに連絡を取り、夫の寂しさに寄り添う努力が必要だと言えるでしょう。

開放感から

単身赴任では孤独と感じる既婚男性も多いですが、家族との別居によって開放感を得る人も少なくありません。単身生活は、これまでの規則的な生活スタイルとは打って変わって、家族に気をつかう必要がなく自由度が高まります。たとえ帰宅が遅くなろうと誰も文句は言いませんし、食事の有無を妻に伝える義務もありません。多少部屋が散らかっても、自分さえ気にしなければ誰にも咎められることはないのです。

しかし、気兼ねの要らない自由きままな生活は、人を大胆な行動に走らせることもあります。もともとは真面目で理性的なタイプの男性でも、開放的な生活を送るうちに気が大きくなりスリルを求めて浮気をしてしまうことも珍しくないのです。また、このタイプの浮気は、遊びで終わることも多いですが、それゆえに1人の女性では満足できず、複数の女性と関係を持ってしまう可能性も否定できません。さらに、1度スリルを味わってしまうと、その刺激が忘れられずに、何度も浮気を繰り返す沼にはまってしまう人もいます。

バレる心配がないから

既婚男性の多くは、夫婦関係の良し悪しに関わらず浮気願望を持っていると考えられています。しかし全ての人が、実際に行動を起こすわけではなく、半数以上は、発覚を恐れて浮気をとまどっているのです。そのような男性にとって、家族との別居生活は願ってもない浮気のチャンスだと言えるでしょう。単身生活なら、鋭く光る妻の監視に脅かされる心配もなく浮気相手と密会が行えます。

慣れない土地での生活は、知り合いに会う可能性も極めて低いため、浮気をしても誰かに見つかる不安がないのです。つまり、単身生活は浮気に最適な状況だと言えます。このような状況にあっては、もはや欲望を抑え切れる男性はいません。

しかも、万が一浮気がバレても、直ちに問い詰められる恐れがないので、いくらでも言い訳を考えられるのです。このタイプの浮気は、確実な証拠を掴むまで、何度でも浮気を繰り返すケースが多いので注意が必要だと言えます。

別居中の浮気、慰謝料はどうなる?

慰謝料のイメージ

基本的に、婚姻関係にある男女のどちらか一方が配偶者以外の異性と肉体関係を持った場合に慰謝料請求は成立します。しかし、別居中の夫婦の場合、その状況によっては慰謝料請求ができない可能性もあるのをご存知でしょうか? 浮気と慰謝料請求をセットで考える既婚女性も多いですが、状況次第では難しい場合もあるのが厄介なところです。

ここでは、別居中に起きた浮気について、どのようなケースが慰謝料請求の対象になるのか解説します。

仕事の都合で別居

自宅通勤のできない地域への転勤を命じられた場合、家族と離れて単身で任地に赴くケースは多々あります。このように、仕事の都合上やむなく家族と別居をしている場合、基本的には夫婦関係は成立しているとみなされて慰謝料請求が可能です。単身赴任は、本人の意思とは関係なく行われる別居なので、夫婦の関係性が壊れているわけではありません。別居中に夫が他の異性と浮気をした場合は、証拠があれば慰謝料は請求できます。

ただし、単身赴任を開始する前から夫婦関係が破綻しているケースでは、慰謝料の請求は困難となるでしょう。肝心なのは、夫婦が互いに婚姻関係を継続する意思があったかどうかです。したがって、夫婦仲が良好な状態から単身赴任になったのであれば、慰謝料請求の対象になると言えます。また、仕事の都合以外でも、親の介護や里帰り出産など、別居せざるを得ない事情があれば、慰謝料請求は認められる可能性が高いです。

夫婦の関係修復における別居

別居前に夫婦仲が破綻しかけていた場合でも、関係を修復するために離れて暮らしているのであれば、浮気による慰謝料請求はできます。このようなケースでは、互いに修復を目指して距離をとっているに過ぎず、婚姻関係が完全に破綻していたとまでは言えません。夫婦の関係を明るくするために、あえて別居をしているだけで、婚姻関係を継続する意思はあるとみなされるのです。したがって、このような状況での浮気発覚は、夫婦の信頼関係を大きく損ねる行為だと判断され、慰謝料請求の対象となります。

ただし、こうした関係修復のための一時的な別居は、相手がそれを否定する可能性も大いにあるので注意が必要です。夫婦が互いに関係修復を目指していたことを立証できる証拠がなければ、単なる別居とみなされる場合もあります。このような事態に備えるには、夫とのLINEやメールなど、メッセージのやり取りなどを証拠として残しておくことが大切です。

家族間の交流は継続していた

基本的に、離婚を前提とした別居では、婚姻関係が破綻していたとみなされるので、浮気が発覚しても慰謝料の請求は認められません。とは言え、そのような状況であっても、夫婦の間でマメに連絡を取り合うなどの交流があった場合には、婚姻関係の破綻と判断されない可能性もあります。

たとえば、別居中にも関わらず、定期的に相手の家の家事を行うなどの世話をしていた場合には、夫婦として関係が成立していたと判断されることがあるのです。こうした状況での浮気は、慰謝料請求の対象となるケースも見られます。ただし、夫婦の交流を立証する証拠がなければ慰謝料請求は難しくなるでしょう。

夫が一方的に家を出ていった

別居をする夫婦のなかには、相手が一方的に家を出て行ってしまうケースも多く見られます。しかし、離婚は双方の合意がなければ成り立ちません。そのため、夫の勝手な判断によって別居となった場合には、妻側にその意思がなければ婚姻関係が破綻していると判断されない可能性が高いです。このようなケースで夫の浮気が発覚した場合は、慰謝料請求の対象となります。それには、妻側に離婚をする意思がないと主張をするだけでなく、夫側の独断で別居に至ったことを立証する必要があるでしょう。

あくまでも、夫婦仲は破綻しておらず、夫側の一方的な別居であったと証明できるよう夫婦間のLINEやメールは保存しておくことをおすすめします。

別居の期間が短い

夫婦仲が悪化した状態からの別居だったとしても、別居期間が短い場合には関係が回復する可能性もあるので、婚姻関係が破綻しているとはみなされません。一般的に、夫婦が別居した状態で関係が破綻していると判断されるのは長期に渡る別居生活です。そのため、たとえば夫が家を出て行って半年程度の間に浮気が発覚した場合には、慰謝料請求の対象となる可能性が高いでしょう。

別居前から浮気していた

夫婦が別居に至る前から、夫が浮気をしていた場合には、婚姻関係を破綻させる原因となった可能性もあり慰謝料請求の対象となります。このようなケースでは、そもそも夫の浮気によって夫婦の関係性が悪化したとみなされます。ただし、別居前に夫が浮気をしていたことを立証できる証拠がなければ、慰謝料請求は認められません。そのため、夫に浮気の疑念を抱いた時は、早い段階で証拠を探すことをおすすめします。

別居後の生活で、証拠が見つかる可能性はゼロに等しいです。したがって、浮気の証拠は怪しいと気づいた時点で探しておくことが肝心だと言えます。

別居中でも慰謝料請求できないケース

別居理由が原因で慰謝料請求できなかった妻

夫とは婚姻関係があるのに、別居していたせいで浮気の慰謝料請求ができないのは悔しいと感じる女性もいるでしょう。しかし、基本的には別居中であっても婚姻関係にあれば慰謝料は請求できるので安心してくださいね。とは言え、状況によっては慰謝料請求が認められない場合もあるので、夫婦別居は気を抜けないのです。ここでは、別居中の浮気が慰謝料請求の対象外になってしまうケースについて解説します。

婚姻関係が既に破綻している

夫婦には貞操義務があり、配偶者以外の異性と自由に肉体関係を結んだ場合は「不貞行為」とみなされ、離婚や慰謝料の請求が可能になります。そのため、単身赴任などの別居中であっても夫の浮気が発覚したら慰謝料請求が認められるのです。

しかし、すでに婚姻関係が破綻している状態で、別居後に浮気が発覚した場合には残念ながら慰謝料請求の対象外となってしまいます。その理由としては、夫婦に婚姻関係を継続する意思がなく、浮気によって平穏な夫婦生活が壊されたとは考えにくいからです。夫婦の関係が破綻した上での浮気は、たとえ肉体関係を示す証拠が有ったとしても不貞行為にはあたらないとされる可能性があります。

離婚を前提として話し合い中

夫婦の関係が破綻した状態での浮気は不貞行為には該当しません。したがって、離婚を前提として別居していた場合の浮気は、同様に慰謝料請求の対象にはならないのです。夫婦が別居中に起きた浮気は、婚姻関係を継続する意思が互いにあるかどうかで慰謝料請求の可否が分かれます。

そのため、たとえ浮気をされた側に、その意思があったとしても、相手側が婚姻関係の破綻を主張してくる可能性は大いにあります。こうしたケースで、相手が「離婚前提の別居」だったと立証できる証拠を持っていたら、慰謝料請求は認められない可能性があります。

別居期間が5年以上

別居中の浮気においては、離れて生活していた期間がどの程度であるかという点が慰謝料請求の可否に影響します。これは、長期間の別居が「婚姻を継続し難い重大な事由」として離婚事由に該当する可能性があるためです。ただし、その期間は具体的に定められているわけではなく、目安として5年程度とされています。そのため、長期にわたる別居中に夫の浮気が発覚した場合でも、目安となる年月を超えていた場合は慰謝料請求の対象にならない可能性があります。

自分が原因で別居している

別居の原因はさまざまですが、特に自分が原因で夫が家を出て行き、その結果浮気に至った場合、慰謝料の請求が認められない可能性が高いです。慰謝料は精神的苦痛に対する損害賠償金であるため、別居の原因が自分にある場合は慰謝料請求で不利になる恐れがあります。例えば、自分の浮気が別居の原因となり、その後に夫の浮気が発覚した場合でも、夫婦関係は既に破綻していたとみなされるでしょう。また、夫に対する暴力が別居の理由となり、その後浮気が発覚した場合も、夫婦関係の破綻の原因が妻側にあると判断される可能性が高いです。

慰謝料請求で気をつけるポイントとは?

慰謝料を請求する妻

これまでの内容から、夫婦仲が良好な状態で浮気が起きた場合は、別居の有無に関わらず慰謝料が請求できると考える人も多いでしょう。しかし、夫の浮気を原因として慰謝料を請求するには、一定の条件に当てはまっているかどうかが問題となります。たとえ夫が見知らぬ異性と親しげに歩いている姿を目撃しても、諸条件に合っていなければ慰謝料を請求しても認められない可能性があるのです。ここでは、浮気を原因とした慰謝料請求についての注意点を解説します。

不貞行為の証拠が必要

夫婦には互いに貞操を守る義務があり、先に説明したように、配偶者以外の異性と自由に肉体関係を持った場合は不貞行為とされ不法行為に該当します。このことから、夫の浮気を理由に慰謝料を請求するためには、夫が他の異性と肉体関係を持ったと分かる証拠が必要です。

一般的に、「浮気の証拠」と言えば、夫と浮気相手の交わすLINEのトーク画面などが連想されるのではないでしょうか? たとえば、LINEで「愛している」「好き」などと書かれていたら、浮気だと判断する女性は多いと思います。しかし、残念ながら法的な定義によると、これだけで不貞行為があったと判断されることはありません。なぜなら、この内容だけでは2人の間に肉体関係があるとまでは断定できないからです。

夫の不貞行為を証明するには、肉体関係の有無を明らかにする具体的な証拠が欠かせません。例を挙げると、2人がそろってラブホテルへ出入りする画像などは、法的な効力が高いです。さらに、2人が裸でベッドに横たわる画像なども法的効力が高いと言えます。そのほか、浮気をした本人が事実を認めた音声データも証拠として有力です。ただし、内容によっては、後から「強引に言わされた」と証言を覆される恐れがあります。

また、一見すると肉体関係があると思われがちなキスやハグの写真ですが、残念ながらこちらは法的効力が低く、不貞行為の証拠とまでは言えません。

浮気相手が既婚者の場合

浮気を理由として慰謝料を請求する場合、その対象となるのは浮気をした当事者2人です。つまり、夫の浮気であれば、夫と浮気相手の女性それぞれに慰謝料を請求できます。ただし、浮気が発覚したあとも夫婦関係を継続する場合には、夫への慰謝料請求は行わないのが一般的です。その場合は、相手の女性にのみ慰謝料を請求します。

ただし、ここで気をつけなければならないのは、浮気相手の配偶者の有無です。既婚男性の浮気は、自身と同じ既婚女性とのダブル不倫であるケースも多いと言われています。そうなると、相手の女性にも配偶者がいることから、相手の配偶者から夫に対して慰謝料を請求される可能性が高いと考えられるのです。すると、たとえ相手女性に対して慰謝料を請求しても、結果的に相殺されることになりかねません。既婚者同士の不倫では、互いに慰謝料を請求しないことも多いといいます。

自由意志に基づくこと

夫の浮気相手が独身女性であった場合、一般的にはその女性に対して慰謝料を請求する流れとなります。しかし、浮気を理由として慰謝料を請求するには、配偶者と浮気相手に自由意志があって肉体関係に及んだことが条件となるのです。たとえば、夫が強引に相手女性と性行為に至った場合、相手側には浮気をする意思はないので慰謝料請求の対象とはなりません。

また、夫が独身だと偽って相手女性と肉体関係を持った場合は、相手の女性は不倫だと気づかずに行為に及んだ可能性があります。そのようなケースでは、相手女性には故意や過失があったとは認められず、慰謝料請求の対象外となってしまうのです。

慰謝料額には相場がある

浮気の被害者にとって、浮気相手や夫への慰謝料は、どれだけ請求しても足りないものです。浮気によって受けた精神的な被害は、いくらお金を積まれても元に戻ることはありません。しかし、浮気による慰謝料請求額には相場が存在し、一般的には50万円から300万円程度と言われています。

この金額は、婚姻関係への影響の大きさや夫婦の婚姻期間、不倫関係にあった期間など、夫婦や不倫の状況によって変動します。さらに、夫婦の間に子供がいる場合や、相手が夫の子供を妊娠している場合、不倫が原因で夫婦が離婚した場合など、状況に応じて慰謝料額は異なります。そのため、自分の気持ちがどうであれ、請求できる金額は判例や相場によって決定されることとなります。

証拠が見つからない時の解決策

浮気を原因として慰謝料を請求するには、さまざまな条件を満たす必要があります。その中でも特に難しいのが、不貞行為の証拠を確保することです。夫と浮気相手の女性が2人でラブホテルに出入りする写真など、撮影技術とは無関係に、そもそも現場に遭遇すること自体が困難です。

このような証拠を得るには、夫を尾行して浮気相手との密会現場に張り込む必要がありますが、これは素人にとっては極めて困難です。そのため、証拠が見つからない場合は、調査の専門家である探偵事務所への依頼が推奨されます。

探偵事務所では、高いスキルを持つ調査員がチームで尾行や観察を行い、ターゲットに気付かれる心配や姿を見失うリスクも低減します。経験豊かな調査員による調査は、証拠を掴む可能性を飛躍的に高めます。さらに、調査で明らかになった事実は調査報告書にまとめられ、裁判で証拠として活用できます。このように、不貞行為の証拠確保に困った時は、一人で悩むことなく探偵事務所へ相談し、問題を解決しましょう。

当サイトでは、浮気・不倫に関する調査の経験豊富な探偵事務所を紹介しています。匿名かつ無料で相談できる探偵社もありますので、お気軽にご相談ください。

慰謝料請求の方法とは?

慰謝料請求の内容証明

諸々の条件が整い、いざ慰謝料を請求したくても方法が分からずに相手からうやむやににされてしまうケースは少なからずあります。何の落ち度もなく浮気の被害者となった人にとって、これほど屈辱的なことはないでしょう。家族を顧みず、自らの欲望を満たした夫とその浮気相手には、報復として必ず慰謝料を請求したいものですよね。ここでは、慰謝料を請求するための方法をご紹介します。

内容証明を送る

慰謝料を請求するには、対象人物との話し合いが欠かせません。しかし、夫婦間の話し合いは上手く行っても、浮気相手の女性と対面するのは気が向かないと言う人は多いです。また、相手の女性が話し合いをこばむ可能性も高いでしょう。そのように、直接会って話し合うのが難しい状態では、内容証明郵便を使い慰謝料請求の意思を表明するのがおすすめです。

内容証明郵便は、提出日・差出人・受取人・記載内容などを郵便局が証明するサービスで、記録が残る仕組みになっています。そのため、相手が郵便物を「受け取っていない」「内容が違う」などと言い逃れするのを防ぐことができるのです。よって、話し合いに応じようとしない相手に対して意思を伝えるのに適した方法だと言えます。

内容証明に記載するべき事項は以下のとおりです。

  1. 慰謝料請求書などの文書の表題
  2. 浮気の事実について
  3. 浮気が民法において不法行為に該当すること
  4. 慰謝料を請求すること
  5. 慰謝料額と支払い期日や振込先
  6. 差出人、受取人の住所氏名

内容証明郵便を浮気相手に送る場合、つい感情的になり誹謗中傷や脅しのような文章を書いてしまいがちです。しかし、そのような言葉を使うと脅迫や名誉毀損などの罪に問われる可能性があるので記載する時は注意した方が良いでしょう。内容証明郵便は、あくまでも相手側に意思を伝える手段であって、法的な強制力があるわけではありません。実際に慰謝料を支払うかどうかは相手次第となりますが、相手が危機感を覚えることも多く、プレッシャーをかけるには効果的だと考えられます。

話し合いをする

夫や浮気相手が話し合いに応じる姿勢を見せれば、直接対面して慰謝料を請求するのも良いでしょう。ただし、2人きりで会うと、感情的になって話し合いがもつれる可能性も大いにあります。最悪の場合、暴力沙汰に発展する恐れもあるので、直接対面する時は、ホテルのラウンジなど人目のある場所を選ぶのが得策です。

話し合いの末に、慰謝料を支払うことで合意した場合は、その内容を書面に残しておく必要があります。当事者同士の話し合いでは、その時は解決したように見えても、後から決定内容が違うなどと話を蒸し返されトラブルになるケースが少なくありません。そのような事態を避けるためにも、合意内容は書面に残して副書し、それぞれで保管しておくようにしましょう。

離婚調停を起こす

相手側との話し合いが難しかったり、合意に至らない場合は、調停に進みます。調停は、当事者同士が調停委員を通じて話し合いを行う制度で、公平な立場の第三者を間に挟むことで、感情的になることを防ぎ、話し合いがスムーズに進む可能性があります。しかし、合意できるかどうかは当事者次第であり、調停でも話がまとまらないことは珍しくありません。その場合、調停不成立となり、裁判へと進む流れになります。

調停のメリットは、第三者を挟んで話し合いができ、合意した内容に強制力がある点です。そのため、調停で離婚や慰謝料請求の話がまとまれば、相手はそれに従う法的義務があります。デメリットとしては、裁判所での話し合いが必要なため、一定程度の時間がかかることです。スムーズに合意に至れば、1ヶ月で決着することもありますが、長引けば1年以上かかる場合もあります。

訴訟を起こす

調停でも合意に至らない場合には、最終的に裁判へと進むこととなります。その場合は、不倫の内容、請求する慰謝料額などを記載した「訴状」を裁判所へ提出することから始まります。裁判では、不倫の証拠などをもとに、当事者の双方で主張を述べて、裁判官が判決を下すので、必ず結果がでるのが最大のメリットです。また、慰謝料請求を認める判決が出れば、相手には慰謝料を支払う義務が生じるので、応じない場合は、強制的に回収することもできるのです。しかし、裁判となると訴訟を起こしてから終結するまでに1年以上の期間がかかることもある点がデメリットと言えます。

交渉が進まない場合の解決策

離婚や慰謝料の請求をしようとしても、相手側が話に応じなかったり、話し合いで形成逆転しそうなど、困った状況になるケースは珍しくありません。そのような時、さらなる精神的な負担がかかるため、交渉のプロである弁護士に相談するのが得策です。弁護士に依頼すれば、相手側と直接話し合う必要がなく、感情に流されずに交渉がスムーズかつ有利に進む可能性が高くなります。さらに、難しい書面の作成や面倒な手続きも弁護士が行ってくれるため、精神的な負担を軽減できます。浮気による慰謝料請求では、自分で行うと相手側との話し合いでストレスを抱えるケースもありますが、専門家の力を借りることで、そのような事態を回避できるでしょう。特に、離婚交渉では、子供がいる場合には親権や養育費などの問題があり、交渉が上手く進まないと残念な結果になる恐れがあります。したがって、複雑な交渉は弁護士に任せる方が安心です。

まとめ

別居中の夫の浮気に直面してしまった時、どんな女性でも少なからず動揺するはずです。もちろん、なかには薄々勘づいているケースもあるでしょう。そして、離婚を考える女性もいるかもしれません。しかし、一方で夫を信頼し切っていた場合、浮気発覚によって受ける衝撃は大きく冷静ではいられないことと思います。そのような事態となった時、落ち着いて対応するには浮気問題に関する知識を着けておくことです。浮気の証拠を得るには探偵社、交渉を有利に進めるには弁護士に相談することをお勧めします。堂々と夫の浮気に立ち向かいましょう。